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▲「電車男」とオタク  ▼はてなの住所登録問題―個人情報の開示基準編 悪徳商法マニアックスとウェディング社の件について―

2004/11/07

box はてなの住所登録問題―法律編― はてなブックマークに追加 MM/memo投稿 del.icio.us entry

 はてなの住所登録の件は、唐突さがあったというのはありましたし、法律的にどうなのか? 登録された住所が本当かどうかの確認の信頼性が低いのではないか?といった問題点が挙げられてました。
 手続きがまずかったという点をずっと責めてもしょうがないので、その辺は触れません。

バーチャルネット法律娘 真紀奈17歳
 全体的な問題としては真紀奈17歳氏がうまく整理されてました。
 こちらでは住所を抱え込むことによるリスクを指摘しており、それから「有料プロバイダのアドレスでのみ登録可能」という提案をされています。これなら「確実に連絡が取れるメールアドレス」として使えますし、落としどころとして良いと思うので、検討をして欲しいところです。
 それでも、住所をユーザーに提供させるという道を選ぶのなら、その住所が本当かどうかの確認の徹底を希望します。

 法律の議論に関してはまだ結審していないファイルローグ事件の東京地裁判決を引き合いに出すのは問題だし、判決の解釈がおかしいという指摘がありました。
はてなダイアリー - 弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 「日々是好日」 裁判例の読み方を完全に間違っている「はてな」

 それに対する小倉氏の反論。
小倉秀夫の「IT法のTop Front」:ファイルローグとblog事業者

 どちらも弁護士の方の見解なので、専門家の間でも見方がわかれる事例のようです。なお、小倉氏はファイルローグ事件での弁護を担当されている当事者の方です。

 また、画像掲示板の管理者が懲役刑を受けたという判例があり、こちらもはてなのことを考える時に重要でしょう。

はてなダイアリー - 奥村弁護士の見解 掲示板の運営はちっともラクじゃなーい!の巻
 児童ポルノ写真がアップされた画像掲示板に関する裁判だそうです。

投稿者も自ら投稿した画像について正犯、管理者も全画像について正犯という判決でした。
投稿者は罰金、管理者は懲役です。

 という訳で、
羊堂本舗(2004-11-05)

「最近の判例によれば児童ポルノをアップされるとプロバイダーも共犯で逮捕されちゃうんでそれを避けるために住所登録よろしく。」とストレートに言っても誰も聞いてくれないから。でも現実そうなんだし、大変だよね。
 という推測もそうかもなーと思ってしまうのです。

 この判例は児童ポルノということで刑が重くなっているでしょう。今まではてなダイアリーでも似たようなことが起きる可能性は高かったですが、はてなフォトライフという画像掲示板的なサービスが始まり、より目立ってしまうようになってしまいました。実際、著作権侵害に対する抗議が急に増えたのは、はてなフォトライフが始まってからのようですし。
 それを起こさせないために住所を登録させて、悪質なユーザーに対する抑止力にしたいというのはわかります。
はてなダイアリー - おれはおまえのパパじゃない はてな住所登録のFAQ 22:59
 旧恐がりのテラヤマさんも「抑止力」ということで納得されています。

 また、法解釈の面では、はてなのサービスは通信であり、電話事業と同じだから、責任を問われないという主張があります。
切込隊長BLOG(ブログ) 〜俺様キングダム: 「はてな」から再びスパムがやってきた
はてなダイアリー - 弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 「日々是好日」 呆れ果てた「はてな」の住所登録Q&A

 ここのコメント欄の議論に注目。

# 小倉 『NTTのサービスとのアナロジーは、ファイルローグ事件において、私はさんざん主張しています。おそらく、Winny事件の弁護人もさんざん主張するのではないかと思います。しかし、NTTが責任を負わされることはあり得ないから、日本MMOも金子さんもはてなも大船に乗ったつもりでどんとしていろと要求するのは、酷ではないかと思います。』
# 小倉 『少なくともファイルローグ事件地裁判決は、日本エムエムオーがユーザー登録の際に戸籍上の氏名と住民票上の住所を入力させなかったことをもって「過失」と認定しており、驚くことに、この認定に異を唱えている評釈者が、最近公刊された教科書等を含め、ほとんどいないというのが我が国の実情で、奥村先生がおっしゃるとおり「黙ってると、そのうちなんかの流布犯罪の正犯か幇助犯になってるんじゃないですか?」という危機的状況にISP等はおかれています。』
 と小倉氏は主張しています。それに対して、落合氏はファイルローグ事件や画像掲示板事件の判例を特例と捉えているそうです。

 しかし、現状の法律の研究家の中に、これらの判例に異議を唱えている人がいないそうで、そうなると裁判官もこれらの判例を一般的なものと考える可能性は高そうです。落合氏はそこを楽観的に捉えていて、小倉氏は悲観的に考えているというところでしょうか。
 こういった判例が適切な法解釈だとは思えませんので、法律の研究家の方たちには、このような判例を特例とする努力をしていただけるよう、お願いします。

 あと、議論を見ていて感じたのですが、プロバイダーとWelogサービスはサービスの性格が違うと思うんですけど、どうなんでしょうかね。プロバイダーはまさに電話でしょう。しかも、有料プロバイダーなら住所は確実に把握しているのですから、すでに身元確認はしています。
 問題はプロバイダー以外のWebサービスですね。プロバイダーでもサーバーサービスもしていれば、含まれます。レンタルサーバーやWeblogサービス、掲示板などは、電話と違い、情報を常に閲覧できるような状態にできるサービスです。いわゆる公衆送信ですが、そういうサービスにおける判例がサービス側にかなり不利になっているんですよね…。

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