2004/05/23
消えた「ブロントサウルス」
FPDM: よく聞かれる質問 ブロントサウルスは、現在アパトサウルスと呼ばれていますが、どうしてですか?
恐竜好きな人なら当然の知識なんでしょうが、はっきり知っている人は少なそうなネタなので紹介。
最初にアパトサウルスが発見され、その後ブロントサウルスが発見されました。しかし、この二種類の恐竜は同じ種類であることが判明したため、学会では先に命名されたアパトサウルスに統一されたそうです。ところが、一般には「ブロントサウルス」が普及してしまったという。びっくりするのが、同一であることがわかったのが最近ではなくて、なんと1903年とかなり前。学会の訂正情報が全然行き渡らなかったのです。
ブロントサウルス
アパトサウルスはずっと頭部の骨が見つからず、博物館の骨格にはなぜか全く別の恐竜カマラサウルスの頭骨が使われており、1975年になって頭部の骨がようやく見つかったそうです。
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はじめまして。アニメ/ガンダム関係の記事を目当てによく読ませて頂いてますが、こういう話題も出るのですね。
「新しい恐竜の化石が発掘された」というニュースが出たとき、一般の方(恐竜方面に”濃くない”方)が認識しづらい事実として、「全身そろった骨格などめったに見つからない」ということがあります。超有名なティラノサウルスでさえ、最近までティラノ自身の二本指の前足は発見されなかったため、長い間近縁種の前足から推測したものをとってつけていたくらいです。
最初にごく一部の骨だけで発見・記載された種は、情報が少ないままとりあえず名前だけつけられるので、後々見つかった新種と思われたものを研究するうちに「前のあれと同じちゃうか?」と解って訂正されることが少なくありません。
ブロントサウルスにカマラサウルスの頭がついていたのは、ブロント発見当時に竜脚類(四本足で歩く首と尻尾の長い巨大な恐竜)で頭骨が発見されている種が少なかったので、参考的に乗せられたのでしょうが、1900年代の訂正が70-80年近く浸透しなかったのはすごい話ですよね。
70-80年代くらいの恐竜図鑑でよく見たもののなかでは、カモノハシ恐竜代表としてよく載っていたトラコドン→アナトサウルスもしくはアナトティタンに改名・代表の座はマイアサウラに譲渡、肉食恐竜ゴルゴサウルス→ティラノサウルス科アルバートサウルスの一種に変更(ただし異論あり)、一本角の角竜モノクロニウス→角竜セントロサウルスのメスに修正(これも異論あり)、石頭恐竜の一種トロエドン→もともと歯しか発見されず、後によく調べたらベロキラプトルに似た小型獣脚類と判明(「トロオドン」表記のほうが現在はメジャーか)などがあります。
80年代中頃にちょっと話題になった、北米巨大恐竜ウルトラサウルス&スーパーサウルスも、どっちも同じものじゃないかという論争のうちに中国の別の恐竜に「ウルトラサウ”ロ”ス」の名前を先に越されて、さらにスーパーサウルス自体ブラキオサウルスと同じではないかという論もあり、更に更にそのブラキオも、ブロント→アパトと同じ理屈で「ジラッファティタン」変更すべきではという論も一時ありました。
ただ現在では命名規約も杓子定規ではなく、既に定着した名前は安易に変えるべきではないという動きもあります。コエロフィシス→リオアリバサウルスという変更案が一時ありましたが、これは通らなかった模様。
こういった論議は「学会」という「世界各国の論文を直接読んで内容を論議する人たちのネットワーク」では頻繁に行われているらしいのですが、一般にはあまり伝わりません。日本では古生物に関する入手しやすい定期刊行物も無いですし(恐竜専門誌って長続きしないんですよね)。数年に一度くる「恐竜ブーム」の時に関連書籍が発行される際に、編纂者が「どこまで最新情報をとりこみ」かつ「どこまで冷静に諸説異論を整理できるか」にかかっているのが現状です(もともと”正しい答え”があらかじめ失われているような世界ですから、難しいところです)
長々と失礼しました。また私自身趣味で半端に情報集めてるだけなので、上記の中にも間違いや誤解があるかもしれませんが、どうかご容赦を。
私の知識は肉食竜が直立歩行していた頃のまま(笑)。
「恐竜図鑑」みたいな絵が豊富でお奨めな本ってありますか?
最低限時間軸と進化の系譜を整理したいんですが…;
>P2さん
一般にあまり知られていないまめちしき的な情報は好きなもので(笑)。
詳細な情報、どうもありがとうございます。確かに、日本だと恐竜ブームが起きないと一般レベルの情報はアップデートされない感がありますね。
>三十路の人さん
恐竜関係の知識は全然ないものでして…。良い書籍をご存じの方はぜひ情報を。
>加能瀬さん
レスありがとうございます。初投稿がダラダラ長くなっちゃって恐縮です(汗
日本は特にそうですが、世界的にも「ここ20年ぐらいの”最新情報”」はジュラシックパークのおかげで普及した面が大きいですね。「ティラノは尻尾を上げて速く走る」という説は80年代中頃でたものですが、常識化したのは映画以降ですから。
>三十路の人さん
お手軽かつ情報の多いものとしては、成美堂出版から出ている「ポケット版・恐竜図鑑」(監修・小畠郁生、解説・絵・工藤晃司)をお勧めします。文庫サイズで\1050と小さく安価ですが、165種の恐竜を扱い、2002年時点での最新情報を網羅、全身のうちどの程度の骨が見つかっているか・他のどんな恐竜と進化上のつながりがあるか・生態解釈についての諸説などがわかりやすくまとめられています。絵もオールカラーで骨格に忠実で、羽毛などの最新解釈も普段に取り入れてるので、現状把握のための一覧にはもってこいかと思います。
最近は子供向けの図鑑もがんばっていて、「小学館の図鑑NEO・恐竜」も種類と情報は多いですが、こちらは復元画がもっさりしていて好みが分かれるかと。
おすすめありがとうございます。^^
アマゾンで調べてみたら
「恐竜大図鑑―よみがえる太古の世界 ナショナル・ジオグラフィック」
というものが。
掲載されている種類は少ないですがガシュウスキーの私としては「大型本」
という言葉にクラクラきてます。(笑)
幼少期にブロントサウルスで刷り込まれた身にとっては、
今でも釈然としません。
レベッカのアルバム「ブロンド・ザウルス」なんか、
今の若い人には意味不明でしょうね。
ゴルゴサウルスも、凶悪そうなネーミングが魅力的だった
のですが…。
「dinopress」もいつの間にか休刊してましたね。
この編集でこの価格はちょっと…と思ってましたが、やはり。
Excerpt: なつかしの紀行番組「すばらしい世界旅行」。この番組で何故か恐竜もののアニメを放送したことがあるんです。
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