2004/01/24
逆ジェンダーエンターテイメント
slashを読む日本人が見たやおい漫画を読むアメリカ人 : フランス人にも突然だったジャンプ『ヒカルの碁』の連載終了
ゲームメーカーSTINGの中にあるコラムなんですが、タイトルから『ヒカルの碁』話中心かと思いきや、実はそうではなく、思春期の少年に向けて、元気な女の子が主人公の逆ジェンダーエンターテイメント作品が必要だという提案をしているのです。
このコラムに対する反応。
はてなダイアリー - 無言の日記 Don’t foget me,memento me
作者が女性の登場人物に対する性的視線を無視できないと、逆ジェンダーエンターテイメント作品は単に萌えやエロになってしまうのではないかという指摘。
なお、宮崎作品は、クラリスやナウシカは当時エロパロがありました。しかし、登場キャラの低年齢化と宮崎作品の一般化によって、エロパロを作られるような性的視線が向けられなくなり、宮崎作品に対して、そういう視点を持つのは、宮崎監督はすごいロリコンと思っている一部の人だけになったのではないかと。宮崎監督の偽装(ステルス)能力が向上したともいえますね。
コメント欄でNot a Serious Woundのハラさんが『天使な小生意気』のように「元々は男の子だった」というようなひねりが必要なのではと指摘されていたのは興味深かったです。『らんま1/2』なんかもそうですよね。あと、少年サンデーは少年ジャンプに比べて、女性が主人公の漫画が結構多い感じがします。『GS美神』(椎名高志)、『いつも美空』(あだち充)、『LOVe』(石渡治)、『なぎさMe公認』(北崎拓)、『パンゲアの娘 KUNIE』(ゆうきまさみ)などなど。
逆ジェンダーエンターテイメントは面白い提案だと思ったので、人と話してみたんですが、少年向け作品は、現実の延長線上のものが多く、どうしても自分の身と比較しやすい部分が出てくるという問題がある。だから、現実との繋がりをなくすために、舞台は現実世界ではなく、主人公を女性にして…と、どんどんフィクション度を高くすれば、良質のファンタジーを提供する装置としてうまく機能するのではないかという話に。
ただ、女の子ばかりが出てくる男の子向け作品は、オタク向け作品に多く、どうしてもオタク文脈に回収されてしまう危険性が高いです。無言の日記でも指摘されていた「性的視線」ですね。
たとえば、このコラムでは、少年たちに「大きなお友達のように開き直って深夜アニメを見る自由はない」と書かれてますが、『クロノクルセイド』や『一騎当千』といったアニメはもともと漫画が原作です。これらの漫画が掲載されているマイナー漫画雑誌には、「ドジでも元気でめげない女の子が脳天気に活躍するマンガ」がたくさんあります。
コラムの提案では、そのようなマイナー漫画雑誌ではなく、メジャー少年漫画に逆ジェンダーエンターテイメントを増やすのが目的なんですけど、これらを読んで満足してしまうということも考えられます。
表面的には違いがわかりにくい作品との差別化など、障害は多々あるので、可能性としては面白いんだけど、実際に考えると細い道だよなーというのが実感でした。
あと、このコラムを読んで、『ダーティペア』や『スレイヤーズ』といった女の子活躍作品は、登場した当時は「逆ジェンダーエンターテイメント」という観点で受け止められた点がありそうと思いました。
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