2003/09/11
監視カメラのある住宅地
夕方のニュースを見ていたら、子供をいかにして守るかという特集をやっていたんですが、大阪府岬町の分譲住宅の話が強烈でした。
公園などに3台の監視カメラを設置して、PCを使えばネット経由で誰でも見られるというシステムになっているのです。カメラの撮影位置もPCから操作可能。また、3名の警備員がその地域を24時間巡回しているそうです。
そのシステムのおかげで、通常なら3000万円ほどで販売されている住宅が1000万円ほど高くなっているんですが、人気は上々だとか。また月に2000円ほどの使用料を必要とするそうです。
商店街の監視カメラでは、記録した映像の扱いをどうすればいいか?という議論があったと思うんですけど、現実にはそれを飛び越えて、住宅地に監視カメラが配置され、誰でも見られるという状況になっているというのはちょっと衝撃でした。
今は「子供を守る」という大義名分があるけど、子供が思春期に入って、子供たちの交遊関係のチェックに使われるようになると、その地域の子供たちの精神面ってどうなるんだろうとか思ってしまいました。公園でデートしていて、親に知られた…とかイヤだろうなあ。
■関連情報
積水ハウス株式会社 2002年10月1日「防犯住宅システム」プレスリリース
asahi.com : Be on Saturday : 「24時間巡回」の街登場
asahi.com : 住まい : 監視カメラの増殖進化と「不自由」 犯罪多発で導入進む電子の目
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それ、積水ハウスの分譲住宅ですよね?分譲後しばらくして意見の対立がおこり、結局カメラの利用に制限ついたと聞きましたが。
積水ハウスで調べたら、情報が出てきたので追記しておきました。
その住宅を購入した人は制限なく見られる、という感じで報道されていたんですが、どんな制限がついたんですか?
警備員は監視カメラを見ないというのは上の記事からわかったんですが。
>子供が思春期に入って、子供たちの交遊関係のチェックに使われる
>ようになると、その地域の子供たちの精神面ってどうなるんだろう
>とか思ってしまいました。
都会化が進んでいない時代/地域では保護者の井戸端会議ネットワークがある(あった)訳で
親「あんた、○○さんの娘さんと付き合ってんだって? ××さんの奥さんが公園で見たんですってよ! もう、母さん吃驚したわよ」
なんて「和やか」な親子の会話は今までもあった訳で。
それが都会化して、その種のネットワークを失った親が変わりにデジタルデバイスを使ったとしてもあまり状況は変わらないのでは?「公」園に、プレイバシーがないのも別に問題を感じませんし。
その地域内の公園は(少なくとも住民にとっては)
「見られている」ことが前提となるので
見られては困るような行動は別のところでするようになるのでしょうね。
例えば学生が先生の巡回圏内のゲームセンターでは遊ばない
というような行動に近いのではないかと思います。
> 見られては困るような行動は別のところでするようになるのでしょうね。
子供はますます親や社会の目の届かないところへ隠れるようになり、
周囲が違和感を感じた時にはもう取り返しのつかない事に...。
と言うのが皆の望む未来?
拝読してかなり驚きました。こうしたパノプティコン的なシステムを不自然に感じたりすることなく受け入れて、そのまま入居してしまう・・・ということ自体、相当に凄いことですね。
>子供はますます親や社会の目の届かないところへ隠れるようになり、
主眼はあくまで「防犯」でしょ?
子供が遊んでるときに変質者が徘徊してないかとかが監視できれば良いわけであって、「子供の健全育成」はまた別の話ではないかと。
つーか、気の利いたワルガキは昔っから大人の目を避けて悪さしますって。
逆に、カメラに写りたがるバカが深夜に大騒ぎすんじゃねーかと、そっちの方が心配。
>都会化が進んでいない時代/地域では保護者の井戸端会議ネットワークがある(あった)訳で
何か忘れちゃいないか?見る側、見られる側と分けた時、これまでなら見る側は同時に見られる側で
もあったわけだよ。
公園にプライバシーはないとして、それは公園の内側に居る者にとってそうであると同時に、公園の外
側から中を見ている者にとってもそうだったんだよ。
でも、このシステムでは見る側を見る者が居ない。見る側は誰の干渉も受ける事なく見る事ができる。
見る側が善人であるという保証はない。俺はそこに危さを感じるけどな。
保護者の井戸端会議ネットワークのような緩やかな監視と、やろうと思えば常時監視できる監視カメラは、質的にかなり違うと思います。あsdfさんの指摘はわかりやすかったです。
公園というのは夜間など時間帯によってはなかばプライベートな空間になっていましたが、監視カメラの導入によって、そのプライベート性は失われます。
地域の住民は監視カメラの存在を知っていても、地域外の人間に対する、監視カメラの情報の提示の問題が出てきますね。監視カメラがあるのを知らない地域のカップルがそこに行って…とか。
いろいろな要素が絡む難しい問題なので、単純に監視社会反対! 監視カメラはよくない!と言いたい訳ではないんですが、市民同士による常時監視というところまで事態はきてしまっているんだーと驚きがあったので書いた次第です。この辺は東浩紀氏の得意分野だと思いますが。
日本じゃ土地の広さから難しいでしょうが、アメリカならこの住宅街のまわりに壁を作るでしょうね(そういう高級住宅地があったはず)。
住宅街にラブホテルが出来ると反対運動が起きますけど、ラブホテルの前に監視カメラが置かれる…とか、今後も何ともいえない事態は起きそうです。
『STAND UP』のほのぼのとした世界に監視カメラが導入されると、いきなり生臭い話になるかもと想像。『踊る大捜査線2』はせっかく時代性の高い監視カメラというネタを使いながら、批評性がなかったのが残念でした。
「やろうと思えば常時監視できる」というところが重要なような気がします。
まず、住民が求めるかたちで監視カメラが導入されていく。
しかし、その監視カメラは、「やろうと思えば」住民にとって不利益な使われ方をされる危険性のあるものである。
にもかかわらず、住民はその危険性に関心がない。危険性を示しても、今は監視カメラを導入することによるメリットにひかれてしまっているし、その危険性については逆に「そんなことにはならないだろう」という妙な安心感をもっている。
そして、実際に「誰か」がやろうと思ったときになって反対したとしても、もう手遅れかもしれない。
これはどこかでみた光景です。
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