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2003/07/28

box 画像引用はどこまで認められているのか? はてなブックマークに追加 MM/memo投稿 del.icio.us entry

 画像引用に関連する判例はないのかなーと思ってちょっと検索。

ゲームサイトと著作権
 18禁ゲームレビューサイトの管理人さんが社団法人著作権情報センターに電話をして質問をしてみたというもの。
 ゲームのパッケージ画像の引用はイラストや写真がある場合、認められないとか。文字だけのデザインなら大丈夫と言っているけど、そうなるとグラフィックデザインに著作権が認められてないということに? そんなことはないと思うんですが。※追記:デザインは著作権法ではなく意匠法扱いになるそうです
 結局、画像の引用に関しては明確な線引きはないようで。小林よしのり氏が脱ゴーマニズム宣言裁判で敗訴したのは画像引用に関する珍しい判例のようです。
参考:行動記録 : 脱ゴーマニズム宣言事件に於ける引用の合法性 引用の合法性が認められたのは『ゴーマニズム宣言』が「意見主張漫画」だったからではないかという指摘。

 著作権情報センター側は、書籍の表紙掲載について、許可を取っているはずと言ってますが、書評での書籍の表紙掲載は引用の範疇だという意見もあるんですよね。昔は引用として認められていたのが、今は許可を取る流れになっているのかも。松沢呉一氏がこの件で小学館と論争をやっていた記憶があるんですけど、あれはどうなったんでしょうか。
Dream Press〜本の表紙画像と著作権について 各出版社にネットでの本の表紙画像の利用について訪ねたもの。講談社と光文社では禁止だそうです。音羽系なのか。小学館と集英社も知りたいところです。

追記:「書影」で検索して松沢呉一氏と小学館のやりとりを発見。
shortcut web | column space | 松沢呉一「WWM(ワールドワイドマツ)」
 ここの小学館関係のものです。松沢呉一氏が入江たか子氏のインタビューで関連として『龍──RON』を紹介し、そこに書影を入れようとしたところ、小学館に原稿をチェックされ、原作者の村上もとか氏より登場キャラクターの入沢たか子は入江たか子氏をモデルにしたものではないので書影掲載をやめて欲しいという申し入れがあり、結局誌面には書影なしで載ったという事件。
 この原稿をチェックされたという問題も興味深いんですが、全体で相当な分量があるため、書籍の表紙掲載問題だけ知りたいという人はあっと驚く事実が判明を読んでください。
 ここからわかることをまとめると、書籍の表紙には下記の三種類のものがあります。
・著作権が成立している場合 写真や絵、立体物(意匠法で守られる工業製品ではなく芸術品)といった著作権が成立しているものを使った表紙
・意匠法の意匠として成立している場合 そういったものを利用していないグラフィックデザインのみのもの。ただし、意匠法は著作権法と違い、登録を要するために現実には出版物の表紙デザインで意匠法によって保護されるものはほとんどない
・そういう権利がまったく成立していない場合 日本ではタイポグラフィに著作権が発生せず、文字のみをただ並べた表紙は、著作物としても意匠としても権利が発生しえない
 書評はあくまで書籍の内容に対するものであり、表紙は別の著作見物であるため、著作権が成立している表紙は書評の引用としては認められないということでした。ただし、書籍の表紙の批評なら引用は成立します。
 で、これは書籍の表紙以外にもあてはまる訳で、あっと驚く事実が判明でも指摘されていますが、この基準で厳密に判断していくと、世の中の様々なものには著作権が発生しているんですから、ネットに写真を載せることはほとんど不可能になります。
 たとえば「このお菓子が美味しかった」といってサイトに写真を掲載したとします。もし、そのお菓子のパッケージにイラストなど著作権が発生するものが使われていたら、そのイラストに対する批評でない限り、引用は成立しないため、お菓子のパッケージのイラストを描いた著作権者に対する著作権侵害となってしまうのです。
 出版物や映像といった著作権をビジネスとしているものと、工業製品や食品は別物として考えている人が多いと思います。でも、最近では、パッケージのイラストから人気キャラクターが生まれたりすることもあり、サントリーのQooのようにキャラクターとして人気が出ている場合は、キャラクタービジネスを始めて、以前とは違う取り扱い方になったりする可能性はあります。だから、工業製品や食品だからといって一般的な著作物と線引きできないことも増えてきそうです。

http://gan.musical.to/chosaku/cs.htm

小野昌延著「知的所有権 Q&A 100のポイント」発行:有斐閣の絵画に関する判例によれば、絵画が「鑑賞の対象になりうる」「論文と関係なく問題の絵画を鑑賞できる」場合は正当な引用とはいえないとされたようです。
 これは検索エンジンのサムネイル画像裁判の判決(※これはアメリカでの判決)に通じるものがありそう。
サムネイル表示は著作権侵害に該当せず、リンク表示は今後の課題に (MYCOM PC WEB)
 画像の場合、オリジナルと同等の解像度の画像は当然NGでしょうが、たとえば動画データから切り出した640x480の画像データ(NTSC相当)があるとして、320x240は「鑑賞できる」となるのかどうか? 320x240はストリーム配信では「高解像度」の内に入るから、このサイズも「鑑賞できる」に入るのかもしれないし、オリジナルと比べれば小さいのでオッケーともなりそうだし。印刷物の絵の場合は、検索エンジンと同じでサムネイルレベルですかね。

 結論として、文字の引用は今までいくつかの判例があるため、ある程度基準がはっきりしているが、画像や映像の引用は判例がほとんどないため、これといった基準はなく、著作権者の判断に寄っているのが現状だと思われます。
 実際の媒体による画像の掲載方法を見てみると、商業媒体では著作権者に確認を取っています。個人の制作する同人誌やサイトなどでは「引用」として画像が掲載されていますが、これは著作権者に認められない可能性が高く、現に警告されたサイトもあります。
 画像の引用に関するコモンセンスが著作権保持者の間で成立すればいいんですけど、裁判が起きて判例がでる、みたいなドラスティックな形でしか成立しなさそう…。
 昔から、批評で映像を利用している映画批評なんかで、何らかの見解が出ていれば参考になりそうなんですけど。

※なお、「何が批評として認められるのか?」という問題もありますが、これはこれで大きな問題なのでここでは触れません

Amazon Search
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Comments
投稿者 : dskoba 投稿日 : 2003/07/28 22:03

商品としてのグラフィックデザインは著作権ではなく意匠法で保護されます。
googleで「グラフィックデザイン 意匠法」で検索してみたところ
http://www.kyoto-archives.gr.jp/ksda/press/vol.05/5.right.html
の「知的所有権Q&A」が参考になると思います。

>書籍の表紙
Amazon とかの商業サイトとか,それらのアソシエイト・プログラムを利用している個人サイトとかはどうなるのでしょうね?
著作権を侵害しているが,売り上げに貢献するので訴えることはないってところでしょうか。

投稿者 : 加野瀬 投稿日 : 2003/07/29 03:14

なるほど、工業デザインと同じで意匠法なんですね。

ネット本屋に関してはおっしゃる通り、「販売」だから認めているんだと思いますよ。新聞や雑誌の書評に書影載せるなと言うのと、通販カタログに書影載せるなと言うのは違うと。

投稿者 : 参考? 投稿日 : 2003/07/29 08:20

脱ゴーマニズム宣言の画像引用問題については、一時期Yahoo!掲示板で結構盛り上がっていました。
そのときの有志によるまとめが、以下のページにあります。
http://jimphelps.tripod.co.jp/

投稿者 : 班長 投稿日 : 2003/07/29 10:08

著作権の話になると話が大きくなってわかりにくくなってしまいがちですが、とにかく誰かから「思想や感情を」を表現した著作物が作られた瞬間に著作権は自動的に発生します。例えば絵の場合だと「それが大人が書いたか子供が書いたか、うまいかへたか」は関係ありません。ですから短いキャッチコピーや本のタイトル(短いゆえに思想や感情をを表現したとはみとめられない、交通標語もだめらしい)以外には著作権が有ります。

それを著作者に許可を得ないで使用したい場合は著作権法32条の引用の条件に従えばよいはずです。ここで大切なのは「引用したものを上回る解説や説明が適正に行われているか?引用する必要性はあるか?」です。ですから本の内容の解説に「本の表紙」は特に必要ないですから、引用では本の表紙を用いることが出来ません。この場合は転載許可をもらって画像を使う事が必要です。(本の表紙のデザインのついて語るなら大丈夫かもしれません)

投稿者 : 加野瀬 投稿日 : 2003/07/29 13:50

 「世の中の様々なものには著作権が発生しており」という下りを読まれてのレスだと思いますが、著作権が自動発生なのは知っております。この表現は誤解を招くものなので修正しました。

 出版物における書評での書籍の表紙掲載に関して、昔は連絡しなくてもokでした。連絡がなくても問題は起きていなかったからでしょう。それが今になって問題視されるようになったのは、著作権者側の権利拡張の面があります。わかりやすくいえばディズニー化ですよね。そういう権利の無制限の拡張を認めておいて果たして良いことはあるんでしょうか。
 現在でも、上のリンク先からわかるように、ネットでの表紙掲載を許可している出版社もあるんですから、現実的な落としどころはあるはずです。
 松沢氏も書いてますが、書籍の表紙は「商品のパッケージ」であり、「商品のパッケージ」にそこまで著作権を厳密に運用する必要はないと自分は考えます。

投稿者 : 班長 投稿日 : 2003/07/29 16:56

著作権を簡潔に考えると「作ったものをどうこうする権利は作った(つまり著作者や作成者)人にある」という事だと思います。一生懸命考えたキャラクターや小説が第三者の手に渡り、勝手に複製されてその第三者が益を得ることはどう考えても理不尽だと思います。

しかしだからと言って、それをたてにして自分の著作物についての一切の研究や論評、解説などを禁じてしまっては文化の発展を阻害してしますし、またそれについての自由な発言も出来なくなると言う言論の自由を妨げる問題も発生してしまいます。それを避けるために適正な引用が出来る著作権法第32条があるのだと思います。

著作物については法律上、この二つの考え方が裁判で適用されているのだと思われます。

結局、今のところは法的には著作物は不動産と同じような感じなのではないかと考えています。ある土地があったとして、その土地の所有者じゃない人が「ここの土地はとっても便利だからみんなで使いましょうよ」なんて言って勝手に使う事が許されない考え方が、現在の著作権の精神だと思われます。

ですから、著作物を著作者(あるいは権利者)に許可無く出来るだけ使いたいとなると法律を替えるしかないと思いますが、現状は著作権については厳しくなる一方だと思います。

投稿者 : Vid 投稿日 : 2003/07/31 12:46

昔は連絡が無くてもというのは、使うほうにも使われるほうにも法律の知識が疎かったからではないでしょうか?
ディズニーは元々の権利意識が強いだけでしょう。ディズニー化というのはどこかずれてる気がします。
日本国内だけとしても法としてはさほど権利拡張とは思えません。個人的に納得できない拡張は70年に延びたことぐらですし。
厳密に解釈して著作権が「新たに」発生したのではなく、今までは親告罪の部分で権利者が訴えを起こしてないだけって言うほうがはるかに多いと思われますが。
だからといって、訴えられなければ何をやっても良いわけでもありませんが。

投稿者 : はいぺりおん 投稿日 : 2004/05/20 17:31

米国のサムネイル訴訟の件ですが、そのまま日本の著作権法には当てはまらないので、注意が必要です。

日本にはフェアユースという概念は厳密にはないからです。

投稿者 : ゆうこ 投稿日 : 2006/06/01 15:00

今、故人の童謡詩集を自費出版で発刊しようとしています。(著作権者は私です)
その中に、故人宛の私信で、作曲家と思われる方からの譜面がありましたので、転載しようと思っております。随分昔、約45年前の書簡でした。転載許可を頂こうと、書簡にありました住所と名前に、手紙を書かせていただきましたが、宛名不明で戻ってきてしまいました。その後も、HPで、その作曲家の名前で検索しましたが、やはり、行き当たらずにおります。

何か、事が起きた時点で、宛名不明の書簡、探そうとした事実をもって、許されることであろうと、考えておりました。
先日、作業を行った方との話し合いで、一言書いておいた方がよいとのアドバイスを受けました。
私信の引用は許されていないとの文を読み、やはり、一言、書いておいた方が良いであろうと思いましたが、どのように書いて良いのか、見当もつきません。私が知る限りにおいて、このような状況の断わり書きを見たことがありません。

もし、御存じの方は教えていただけないでしょうか。

TrackBack −この記事に言及したサイト−
Weblog: 査察報告書 Tracked: 2003/07/28 18:20
Excerpt: 画像引用はどこまで認められているのか? (ARTIFACT) ちょっと気になったのはDream Press〜本の表紙画像と著作権について (Dream Press〜夢幻のオルゴール工房 別館)。Amazon.co.jp アソシエイト・プログラムでは個別商品へのリンクに画像を使うことが出来ることになってい...
Weblog: HowSoonIsNow? Tracked: 2003/07/28 21:15
Excerpt: 画像引用はどこまで認められているのか? あるいはTrackBackテスト。...
Weblog: Twilight and Horizon Tracked: 2003/07/28 23:06
Excerpt: ARTIFACT −人工事実− | 画像引用はどこまで認められているのか?で取り上げられていた画像の引用の話。 特に気になったのは書評(私が書くのは「書評」レベルまでいかないが...)の際にその本の表紙の画像を引用として用いることは可能かどうかというくだり。 実際に本...
Weblog: Nora's Tracked: 2003/07/29 08:43
Excerpt: って言及元は人工現実さんの記事を参照のこと。 [http://artifact-jp.com/mt/archives/200307/picturequotation.html] アニメキャプ話から始まり、画像引用へと話は拡大。 まとまるんかなぁ?とか思ったら話は・・・そう、とんでもない方向へ・・・。 薮蛇にならない程度...
Weblog: network styly * Tracked: 2003/07/29 15:11
Excerpt: 【追記トラックバック】クリエイティブ・コモンズのライセンスをblogにはりつけるにあたって、画像引用に関するARTIFACTさんのコレクトが非常に参考になりました。
Weblog: Aga-Ye!! : Kasedac Tracked: 2003/07/30 23:11
Excerpt: Google Rankを見ると、かなり知られているようだが、textfile.orgの結城さんがクリエイティブ・コモンズのライセンスをWeblogツールで使うことの危険性を公開している。 特に「話を整理する」の項は必読。 画像引用についての最近の記事としては、ARTIFACT 〓人工事実〓 |...
Weblog: janus Tracked: 2003/08/02 11:56
Excerpt: 画像の引用が認められる範囲はもうケースバイケースとしか言いようがないでしょう。
Weblog: nomaddaemon Tracked: 2004/01/28 00:25
Excerpt: 【結論】  当サイトは著作権法の認める範囲である引用の定義に基づき 1.テキストへのリンクは自由に行う 2.画像へのリンクは自由に行う 3.画像のコピーと当サイト上でのその表示を自由に行う 【根拠】 CRIC(著作権情報センター) http://www.cric.or.jp/ 他人の著作物の...
Weblog: 犬にかぶらせろ! Tracked: 2004/05/19 01:31
Excerpt: 松沢呉一氏のサイトではこんな記述を発見。 http://www.shortcutweb.com/archive/clm/wwm/wwm-sho4.html
Weblog: 田舎的SOHOブログ Tracked: 2004/07/09 18:01
Excerpt: 出版物の表紙画像をWebに掲載して紹介したりするサイトがあるけど、これって許可を得ずに掲載すると著作権侵害にならないのかなぁ・・・?ってことで調べました。 ◆出版各社の対応 http://home9.highway.ne.jp/a-mugen/booktop.html ◆テレビの内容や講演の内容に...
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