2003/05/10
新人類とオタク
ちょうどオタクネタで繋がりが出てきたので、タイミングを逃して書き上げなかったネタを。
「漫画ブリッコ」資料館 : 『おたく』の研究
オタク原始時代の資料として重要な文書です。これを読んで思ったのが新人類といわれた人たちの当時の文章の恥ずかしさって変わらないなあということ。
別冊宝島の『80年代の正体!』で浅羽通明氏が書いた「刈り上げおじさんがコム・デを着て、銀ぶち天才少年とチベットから来た男の登場で始まった」という80年代の思想シーンをうまくまとめた文があるんですが、そこで『週刊本 卒業−Kyon2に向かって』(朝日出版社)の文を紹介しています。この本は、中森明夫氏、野々村文宏氏、田口賢司氏の三人が、ゲーム、少女アイドル、受験参考書などのアイテムをめぐって会話するもの。
以下、すべて田口賢司氏の発言です。
ぼく伊代ちゃんにヘーゲルの『精神の現象学』にね、サインしてもらった、というのがある。(中略)パッと出して、伊代ちゃんサインして、って言ったの。そしたらヘーゲル大好き、って書くんだよね。伊代ちゃんが。伊代ちゃんも大好きなんだよ、ヘーゲルが。
Kyon2が赤い。『雪片曲線論』のように赤い。ヘーゲルを愛した伊代を、ハイパーリアルしようとするKyon2という一連の運動系を「哲学の終焉とエクチュールの開始」とスローガン化して見せる。すると、人はそこに思考の関数を、座標軸もろともに見失うほどの超スピードを体験するだろう。文脈を説明しておくと、80年代において小泉今日子はアイドルの枠を越えたかっこいい存在だったのです。今じゃただのおばさんですが…。浅羽通明氏が一番破壊力のある部分を持ってきているとは思いますが、こんな会話文が素で書籍に載る時代があったのです。
現在、田口賢司氏はスカイパーフェクTVのスポーツ部門のプロデューサーをしているみたい。同志社大学通信122号 2000 APRILより。
以下、この関連で面白かったページをメモ。
HARDCORE ERA: 中森明夫「おたくの研究」から20年
パン工場: オタ=キモの終焉
Beltorchicca 2003/04/23
void GraphicWizardsLair( void ); //
偽日記 4/23
−この記事に関連しているかもしれない書籍−
80年代当時でも小泉今日子はただのA'級アイドルだったと思うんですがね.
ヘーゲルってのもA'で,ネタな気はしますけど,さて,どうだか.
田口賢司が,そのころのノリを忘れてるか,勘違いしてるかも知れませんが.
つまりその,ヘーゲルって,中高校生にも著名なので,当時でも微妙です.
ただのA'級の哲学本に,ただのA'級アイドルがサイン.だと,
オシャレ狙いでも全然ヒネリ足りないし,ダサ狙いにしても滑ってます.
これがスピノザとか,ピラネージのドローイング集とかだったら,
多少は当時っぽい雰囲気出てる気がしますが.(異化作用ってやつですな)
それとは別に,だいたい20年ぐらい前の文章ってのは,いちばん陳腐で
見苦しく恥ずかしいものではあります.それを免れることは,書く側から
すると極めて困難なので,今,なにかしら書こうとする人も,
そういうものだと思っていた方がいいかもしれません.
まぁ間違いなく,20年後には今の文章って,いちばん恥ずかしいものに
なるでしょうからね.
そのときには却って80年代初期の方がほのぼのと読めるかも.
1980年代当時から見たら「赤ずきんちゃん気をつけて」とか,
『こんな小説が素で本に載る時代だったのかよ』って感じと似ています.
−この記事に関連しているかもしれないサイトを自動でリンク−
※コメント欄で初めて書き込まれる場合でも、挨拶は必要ありません。
※その他、コメントを書き込む際はこちらの注意をご覧ください。
この記事へのTrackBack URL
※TrackBackを送った記事からのお礼としてのTrackBackは送らないでください。新しい記事を書いたので送るというのは問題ありません。
※その他、TrackBackについてはこちらの注意をご覧ください