オタク定点観測 2000/07
[第25回]−DVDでアニメが変わって欲しい

 PS2の発売のおかげで、ぐんと勢いがついたDVD。DVD登場時は普及するのかなあ?と思っていたが、なんだかんだいって、かなり普及したメディアとなった。
 DVDの普及によって、映像作品へのスタンスが変わるのではなかろうか。今まで映像作品を見るというとビデオテープか、LDだった。LDは高画質だが「大きい」「重い」ので、見る時に、気合いがいる。ジャケットから慎重にLDを取り出し、更にビニール袋から取り出す。アナログレコードのような面倒さがある。ビデオテープは気軽に見られるが、ランダムアクセス性に欠ける。「あの作品のあのシーンが見てみたいなー」と思っても、そこに辿り着くまでにかなり手間がかかる。これらの問題をDVDは一気に解決する。画質もLDなみだ。CDが普及して、音楽を聞くという行為がカジュアル化したが、それと同じことが映像でも起きるという訳だ。
 いいことづくめのDVDだが、オタクにとって気になるのはアニメのDVDのお値段。映画は、3000円台のソフトが多く、それなりに安い印象を受けるが、アニメの価格はLD時代とちっとも変わってない。テレビアニメは、4話入って6800円辺りが相場になっている。OVAだと5000〜5800円が普通か。ところが、不思議なことに、海を越えたアメリカでは、DVDの価格が全然違う。大体一枚30$ぐらいで、通販では大抵3割引き!しているので、21$ぐらい。日本のアニメもDVDが結構出ており、日本語と英語のオーディオトラック、英語字幕が入っているので、日本のアニメファンでも楽しめる。パイオニアやバンダイビジュアルはアメリカでの販売にも力をいれており、『大運動会』『lain』『カウボーイ・ビバップ』などのテレビアニメが4話収録されたDVDが約21$(110円換算で約2300円)で買えてしまうのだ。日本からでも、DVD EXPRESS(http://www.dvdexpress.com/ ※現在はもうない)などの通販サイトを使えば、楽に個人輸入できる。ただし、リージョンという地域別のプロテクトのため、普通に市販されているDVDプレイヤーでは見られないので注意。
 もし、日本でもアニメのDVDがこんなに安くなったら、市場が広がらないだろうか? 冒頭で言ったように、映像作品のカジュアル化が起きれば、CDのように大ヒットするDVDというのも生まれてくるハズ。実際、映画『マトリックス』のDVDはPS2効果も手伝って、爆発的ヒットとなった。日本アニメのDVDが現状の価格のままだったら、あくまでアニメファンの嗜好品止まりだろうが、価格が下がって市場が広がれば、アニメファン以外もターゲットにした作品作りが可能となりそうだ。ガイナックスの新作アニメ『フリクリ』は、そんな動きの一端なのだろう。1巻目は2800円という特別価格、以後の巻は3800円で発売される。安いからといって、クオリティが低い訳ではない。低いどころか、最近のアニメの中でもトップクラスといえるクオリティだ。しかし内容はいわゆるアニメファン向けではない。『フリクリ』が一般層をも巻き込んだヒットになるかどうかはわからないが(個人的にはヒットして欲しいけど)、今後、こんなアニメが増えて、アニメの作品の幅が広がってくれると、アニメオタクとして嬉しい限りなのである。

掲載=カラフルPUREGIRL 2000年7月号(ビブロス刊)

■コメント
 DVDによってアニメを映像商品として大変売りやすくなったけど、変わったかというと……、うーむ。
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印刷関係技術ネタも一通り解説したので、今回はちょっと趣味に走ってみました。なんとなく買ったDVD-ROMドライブがきっかけで、DVD無限連鎖地獄に落ちた気がします……。『フリクリ』は面白いですよ〜。こんなに見直したくなるアニメは久しぶり。
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