オタク定点観測 2000/05
[第23回]−あなたのディスプレイの色は合ってますか?

 CGを印刷物に利用した時、一番悩むことは色の違いだ。赤、緑、青の光によって色が表現(RGB)しているCGと青(シアン)、紫(マゼンダ)、黄(イエロー)、黒(ブラック)の4色で表現(CMYK)している印刷物では根本的な表現方法が違うのだから、違いがあるのは当然なのだが、その問題以外にも色違いの原因がある。それはディスプレイの設定だ。
■色温度
 まず、ディスプレイの色温度の違いが挙げられる。よくビデオカメラやデジタルカメラなどのCCDを利用した電子機器で撮影した時、同じ物でも太陽光の下と、室内の蛍光灯の下で撮影したものでは、色が違うことを体験したことがあるだろう。これは、光源に含まれている色の成分の比率が異なっているからである。この光源の特性を温度で表現したものが「色温度」だ。なぜ温度なのか、説明すると長くなるので詳細は省くが、学校の理科の実験で、炎が高温ほど青くなり、低い程、赤くなると教えられた記憶はあるだろう。原理はこれと同じこと。色温度は、絶対温度の単位であるK(ケルビン:絶対零度0K=-273゚C)で表現される。
 普通のディスプレイは出荷時の設定だと、9300Kになっていることが多い。この状態で見たCGを印刷すると、全然違う色になってしまう。ディスプレイの9300Kという色温度は、テレビと違和感がないようにするためだそうだが、印刷物を見る時の光源は、部屋の照明なのだから、この色温度である5000〜6500Kに合わせないといけない。ディスプレイにある色関係の設定を見ると色温度という設定があるはず。これをいじって白色を見るとよくわかるのだが、9300Kだと青に偏っている。それが6500Kになると黄色気味になり、5000Kだと赤に偏る。白を紙の白に近付ければ、印刷した時の見た目に近くなるという訳だ。ただ、安いディスプレイだと色に関する設定ができない製品も多い。ディスプレイ購入時は、表示自体の性能はもちろんとして、色の設定面での細かさも気にしたほうがいいだろう。
■ガンマ
 次にガンマ値の違いだ。ガンマも説明すると長くなるので、とりあえず覚えて欲しいのが「ガンマ値が小さいと色が濃くなる/大きいと薄くなる」ということ。Macintoshは1.8、Windowsは2.2に設定されている。そのため、Macintoshで作った絵をWindowsで見ると、濃く見えるし、Windowsで作った絵をMacintoshで見ると薄く見える。印刷での標準的ガンマ値は1.8なので、Windowsユーザーで印刷物にCGを利用したい人は、1.8にすべきだろう。
 色管理について、Mac OSの場合、ColorSyncという機能が装備されており、OS自体で色温度とガンマが調整可能だ。Windowsの場合、98からICM2.0が装備されたが、一般化しているとは言い難い。この違いは、MacintoshがDTPを意識したマシンだからだろう。
 以上のように、ディスプレイが適切に調整されてないと、ディスプレイでの表示と印刷物の出力結果が変わってしまうのだ。思うように色が出ない……と思っている人は、まずディスプレイがきちんと調整されているか調べよう。
 RGBとCMYKによる色の違いの問題は、またの機会ということで。

掲載=カラフルPUREGIRL 2000年5月号(ビブロス刊)

■コメント
 OSによる違いも大きいので、今読んでもあまり意味がないコラム。
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この技術ネタシリーズ、なるべく専門用語は使わずに初心者の人にわかるように書いているつもりなんですが、中途半端だという声がありました。もっと用語を解説したいのですが、文字数の制限もあるものでして……。物足りない方は専門書を読んでくださいな。
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