オタク定点観測 2000/03
[第21回]−DTPでよくいわれるPostscriptプリンタって?

 よく「Postscriptプリンタの出力は綺麗だ」といわれる。しかし、Postscript(以下PS)プリンタが、普通のプリンタより、解像度の面などで優れている訳ではない。基本的な出力機構は同じだ。あくまでPSデータを綺麗に出力できるという点で、他のプリンタより優れているのである。
 Postscriptとは1980年代半ばに米国のAdobe Systemsが開発したページ記述言語の一種である。ページ記述言語において、文字情報は、フォントの座標位置、ポイント数(大きさ)、フォントの種類などが記録される。また、図形も座標位置や線の太さ、塗りなどが、情報として記録されている。Photoshopを持っている人なら一度EPS形式で保存してみて、それをテキストエディタで開いてみるとよくわかると思う。言語の記述によって、ビジュアルイメージを作り出すのだ。PSデータは文字、記号や図形、スキャンされた画像などを統一的に扱うことができ、基本的に機器に依存しない。そのため、PSに対応した機器なら、パソコンの画面上でも、PSプリンタ出力上でも、イメージセッタ(フィルム出力機)でも、同じものが出力できる。
 PSプリンタというのは、PS形式のデータを解析できる機能を持ったプリンタである。最近安くなったレーザープリンタの中でも、PSプリンタはまだまだ20万円以上する高価なものだ。なぜ、こんなに高価かというと、PSプリンタはPSデータ解析用のCPUとプリンタ専用のフォントを保存するためのHDDを内蔵しているからだ。PSフォント(PSに対応したフォント)を綺麗に出力するためには、内部HDDに出力したいPSフォントのプリンタフォントをインストールしなければいけない。PSのプリンタフォントは、一書体あたり2,3万円とこれまた高価である。はっきりいって個人で買うシロモノではない。ただし、IllustraotrやQuarkXpress4.0などのようにデータ内のフォントをすべてアウトライン化(文字データをただの図形にしてしまうこと)できるアプリを使えば、プリンタフォントがなくても、綺麗に出力できる。
 このようにPSプリンタは高価だったため、手軽なPSプリンタを供給しようという動きもある。PM-3000CやMD-5000などは、PSデータをビットマップとして展開するRIP機能をソフトウェアで提供しているので、PSプリンタとして使える。いわゆるソフトウェアリッパーと呼ばれる機能だ。PSプリンタがCPUを内蔵しているのは、DTP初期は、本体のCPUが遅いため、パソコン本体で処理するには厳しかったからだ。CPUの高速化に従い、本体のCPUですべて任せることが可能になってきたのだ。このソフトは3万円ぐらいなので、プリンタ本体と合計すると10万円ぐらいでPSプリンタが買えることになる。ただ、プリンタフォントが必要なことには変わりがなく、これは本体のHDDにインストールする。カラーのPSプリンタは100万近くするので、QuarkXpressなどのDTP組版ソフトやIllustratorをよく使う人にとっては大変魅力的だろう。しかし、たまにIllustratorを使う程度の人であったら、手間はかかるが、Illustratorのデータを一度EPSデータにして、それをPhotoshopにラスタライズさせたものを普通のカラープリンタで出力すれば充分ではある。

掲載=カラフルPUREGIRL 2000年3月号(ビブロス刊)

■コメント
 Postscriptプリンタがよくわからないといわれていたので書いたもの。
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DVD-ROMをなんとなく買ってから、アメリカからDVDを個人輸入しまくってます。DVD先進国のアメリカではDVDが20$(2100円)ぐらいと大変安いのです。『マトリックス』や『プライベート・ライアン』など字幕がなくても楽しめる映像スゴイ系の映画を見てます。
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