富士急ハイランドにガンダムのアトラクションができる。最初にこの話を聞いた時は冗談かと思ってしまった。しかし、結論からいうとその不安を吹き飛ばす会心のアトラクションであった。
遊園地のライドアトラクションでSFものというと、80年代ディスコの内装の設定のように妙な設定が多く、感情移入しにくいものだが、これがガンダムなら一年戦争は僕らの戦争だった、と言い張るガンダムズチルドレンがいるぐらいなんだから、感情移入の面では問題なし! ガンダムを知らない人には、普通のアトラクションと変わらないんだけどね……。
アトラクションの中に入ると、そこはサラミスを改造した輸送艦フジ級スルガの艦内。観客は、星一号作戦展開中のア・バオア・クー宙域から脱出するコロニー避難民という設定である。ランチ(脱出艇)に乗る前に、ハロが主人公のコロニー公社の宣伝番組を見せられる。と、その時、スルガのヘンケン艦長から通信が! って、あのZガンダムで死んじゃうヘンケンさんじゃないですか。ランチ発進前にジムのパイロットから「黄色いヤツ」が襲ってくるという通信が入るのだが、その正体には、ガンダムファンなら思わず笑ってしまうことだろう。途中、ガンダム対ジオング、ガンダムラストシューティングなど名シーンを見かけたり、セイラやカイから通信が入ったり、輸送艦ドロワの中を突っ切ったり、とファンサービス全開の映像が展開される。映像は約8分で、アトラクションが稼働している最中は、上下左右にひどく揺れるので、最初に乗った時は何が何だかわからないうちに終わってしまう。
この映像は、キャラ部分が通常の2Dアニメ、メカ部分が3D CGアニメで、大半は3D CGとなっている。メカデザインやキャラデザインにはアニメスタッフが参加し、3D部分はサッポロ黒ラベルのCF制作などで有名なCG制作会社ルーデンスが主体となり、日本のCGプロダクションが制作している。3D CGは、単なる3Dというよりアニメ的な演出を随所に盛り込んだ映像で、その作り込み具合からCG雑誌でも記事になったぐらいである。日本のライドアトラクションのほとんどの映像は海外のCGプロダクションが制作しているのだが、『ガンダム・ザ・ライド』は純国産なのだ。
アトラクションを出ると、日本一?を誇るガンダムショップがあり、パンフレットや、ガンプラ、記念品が売られている。個人的には、連邦軍のテープがナイスだった。パンフレットには、映像の見所解説がされており、それを確認して、もう一回見るのも楽しい。
ガンダムは、製作陣にもファンが多く、版権モノが制作される時でも、その愛情でいいものが作られることが多い。『ガンダム・ザ・ライド』もその一つだろう。この調子で、ぜひ『ガンダムランド』を作って欲しいものです、ええ。
掲載=ゲーム批評vol.38 2001/5(マイクロマガジン刊)