「ガンダム」というと、どうもメカばかりクローズアップされがちだが、キャラの魅力も忘れてはいけない。ここでは、キャラの中でも、魅力的なヒロインたちについて語ってみたい。
「ガンダム」に出てくるのは「戦う女たち」だ。そう「信じる男たち」のために戦う女たちである。初代ガンダムにおいて、女性キャラの活躍場所は、オペレーターや輸送部隊など、後方支援が多かった。しかし、「Zガンダム」からは、女性キャラが戦場の前線に立って戦闘をするのは、自然な事になった。
端的な例は、主人公の幼なじみの役目に表れている。アムロの幼なじみであるフラウ・ボウは、ホワイトベースの通信オペレーターというおとなしい役目だった。しかし、カミーユの幼なじみであるファ・ユイリーは、コロニー難民として一度表舞台から消えるが、再登場する時は、なんとMSキャリアーのパイロットとして、Zガンダムを運んできて、ピンチに陥ったカミーユを助けにくる。その上、なんとモビルスーツのパイロットになってしまうのだ。ただ、彼女が乗ったのは、弱いとされている変形MS・メタスだったが。
さて、そんな「戦う女たち」であるガンダムヒロインは、一見すると最近の戦闘アニメに登場するヒロインたちの元祖のように見える。ただ、ガンダムヒロインと当世の戦闘アニメヒロインは、【手触り】が違うのだ。最近のアニメのヒロインは、触ってみるとのっぺりしていて、わかりやすい形をしている。しかし、ガンダムヒロインというのは、一見手触りがよさそうな人でも、どこか荒れているし、中には刺を持っている人もいる。
ファンが熱中するキャラクター、いわゆる「萌えキャラ」というのは、ツルツルした感触のキャラだ。見る側にとってお約束の塊であるため、簡単にキャラを愛する事ができる。そのような愛し方の前では、ガンダムヒロインのような表面の荒れは敬遠されてしまう。でも、ちょっと考えて欲しい。こんな【荒れ】を持っていたからこそ、今でも自分たちの心にガンダムヒロインは残ったのではないだろうか?
フォウ・ムラサメのように、全50話中、わずか6話しか出なかったキャラでも、自分たちの記憶に残っているのは、そんな【引っかかり】があったからなんじゃないかと思っている。
掲載=G2O Vol.1(アスキー刊)