CGMは「他の誰かがお金を出して作った場所」を「俺たちの場所」と思い込ませて、規模を成長させるのが成功の秘訣 : ARTIFACT ―人工事実―
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空き地

私にとってニコニコ動画は空き地だった[↑B]
 「ニコニコ動画」を「ネット」に変えても成立しそうな文章だなー、何回も繰り返されていた光景だよなーと、元記事の内容自体はそれほど興味を持たなかったのだが、この指摘が面白かった。

私にとってニコニコは空き地だった

この種の郷愁はわからんでもないんだが、ニコニコは最初から徹頭徹尾「俺たちの場所」なんかではなく「他の誰かがお金を出して作った場所」だったわけだ。無料で貸与されるとそこを急に忘れる種類の人がいる。

2014/11/19 11:38


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 厳密にいえば、最初の“「ニコニコ動画」を「ネット」に変えても”はちょっと正しくない。「ニコニコ動画」はSNSなど他のCGMとして置き換えるのが正しい。
※CGM(Consumer Generated Media)は消費者の投稿によって成立しているメディアを指す
 プロバイダーのサービスが始まり、インターネットが大学や企業でない個人でも使えるようになった頃、個人がネットで表現活動をする時、企業が関わっているのは、サーバー関係ぐらいだった。ジオシティーのような無料サービスであっても、ジオシティー自体がコミュニティを形成することはなかった。あくまで主導権は個人が握っていたのだ。この時代に、「運営」という強い立場が存在したのは掲示板や口コミサイト、オンラインゲームぐらいであった。

 潮流が変わったのは、ブログがブームになってからだ。各社がブログサービスを始めると、ブログサービスによるネットでのコミュニティ形成を運営企業が意識する。決定打だったのは、mixiのようなSNSの登場だ。ブログはまだ企業の手からはみ出るところがあったが、SNSはコミュニティが企業が運営するプラットホームに完全に乗っていた。そして、写真や動画といったビジュアル表現は、サーバーの負荷が高いため、個人ではなかなか使いづらかったが、YouTubeやflikcrなど企業が便利なサービスの運営をし始める。
 SNSが登場した頃、個人サイトの管理人たちの中には、企業が運営する場に依存することを危惧する声があった。掲示板やオンラインゲームなどで、運営者や運営企業の方針によって、場が簡単に変わってしまうことを見てきたからだろう。しかし、企業が運営するサービスは使い勝手がよく、いつしかサイトの更新自体をしなくなってしまう者も多かった。この危惧は正しかったのだが、今では、個人がネットで表現活動しようとする時、企業が運営するCGMのWebサービスを使わないというのはまず考えられなくなってしまった。たとえ個人でサーバーをレンタルしてサイトを始めても、ソーシャルメディアを使わなければ、存在を知ってもらえない。

 インターネット初期は、主導権を個人が握っていたが、現在個人は投稿の場の盛り上げをするための人材でしかなく、主導権を握っているのは場を作り出す企業になった。
 今のネットにある場所はほとんどが「他の誰かがお金を出して作った場所」だが、先の指摘のようにそこを「俺たちの場所」と勘違いする人たちが結構な割合でいる。そういった人たちに面白い遊び場だと思ってもらって遊んでもらい、場が盛り上がれば、見る人が多く集まり、ビジネスとして成功する。
 規模が大きくなったサービスは、最初にリンクした匿名ダイアリーの記事のように初期のユーザーから「変わってしまった。昔が良かった」と郷愁の対象になる。こうした初期のユーザーは、運営企業からすれば、声が大きくてうるさいだけの邪魔な存在だ。

 今後も、CGMを中心としたWebサービスを運営する企業は「他の誰かがお金を出して作った場所」をいかに「俺たちの場所」と思わせて、サービスを盛り上げるか苦心していくことだろう。ユーザーからしてみると、いつまでも「俺たちの場所」という幻想を維持してくれるサービスが一番だが、規模の拡大がなければ、幻想の維持はしやすい。しかし、規模の拡大がなければ、サービスの継続が難しい。
 「俺たちの場所」という幻想と規模の拡大は、相性が非常に悪いが、どの程度の規模を求めるかがポイントで、新規ユーザー獲得のためにテレビでCMを流すようにまでなってしまうと、明らかに「俺たちの場所」という幻想は成立しない。あまり大きな規模を求めなければ、「俺たちの場所」という幻想と規模の拡大は両立するのではないだろうか。

※関連
カフェみたいな雰囲気のWebサービスを維持するために、書き手はわざとわかりにくい文章を書けばいいんじゃないかという自衛策 by 加野瀬 | Short Note[↑B]


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1997年から運営している個人サイト。2002年にブログ化。オタクネタを中心で書いていたが、最近はウェブサービスの話題が多い。
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