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スクリプトが生み出すドラマではなく、AIが生み出すドラマこそ、自分の考えるゲーム的リアリズム

add to hatena hatena.comment 45 users add to del.icio.us 4 users add to livedoor.clip 5 users [ゲーム] 2008/5/10(土) AM9:00

GRAND THEFT AUTO IV - 人殺しが人死にに立ち会う - また君か。@d.hatena[↑B]

とにかくにも、この出来事はおれの心に空洞として残った。日常的にゲーム内で人や人型のクリーチャーなどを撃ち殺しまくり、GTA においても悪党や警官やそれ以外を銃弾や車によって殺傷しているおれが、べつにそれほど重要とも思っていない NPC 一人を偶然に死に追いやってしまったことで、ショックを受けるというのが意外だった。この出来事があってから、おれのプレイはちょっと変わったかもしれない。優しくなったりは、していないんだけど。ミシェルが死んだ世界をおれは殺した。二度殺したのだ。その結果、いまミシェルは生きている。同じミシェルではない、と思う。それは当たり前だ。同じミシェルなど居ないのだ。

sside.net : 認識と現実と虚構と物語[↑B]

これは、スクリプトも企図しない、Postal 2のAIプログラムと偶然のインタラクトに見た、フラグのドラマ。たまたま自分の視界に入らないところで、何らかの原因からか警官がそのキャラクターに犯罪者フラグを立て、近接した警官キャラクターがそのキャラクターに攻撃を仕掛けたに過ぎない。創作されたフィクションですらなかったけれど、それを見たときの生々しさにおれは震えて、湧き上がる遍く情を押さえきれずに泣いた。
これをビットの海が必然に溢し、偶然を見たこちらが勝手にドラマを作った、と言うのなら全く以てその通りですが、この一件と脳内メーカーとの間にプログラムとインタラクトの複雑性以外、一体何の差があるというのか。人は見たいものを見るが故に、見るべきものを其処に見出す。それで何が悪いって言うんだ。

PS3  グランド・セフト・オート4(Grand Theft Auto IV)(輸入版・北米)Xbox360アジア版
 どちらもゲームで、AIによって、プレイヤーが予想もしなかった事態が発生して、衝撃を受けるという話なのだが、自分が考えるところの「ゲーム的リアリズム」(ゲームしか生み出せない感情)というのは、こうしたAIが生み出すドラマにあると思ってる。
 それについて昔『天国から来た男』というゲームについて書いたコラムを再掲。『天国から来た男』は、テキストベースで進行するゲームなのだが、シナリオがあってそれを再生している訳ではなく、登場人物がAIで動いている。テキストベースの『ガンパレードマーチ』といえば、わかりやすいだろうか。『ティルナノーグ』や『ルナティックドーン』の流れで、現在の最先端は『TES4 : OBLIVION』だろう。
 システムとして非常にユニークで面白いゲームなのだが、AIが起こす行動の種類が少ないため、何回かプレイすると、予想しない事態というのは、あまり起きないので、飽きてしまうという難点があった。なので、『天国から来た男』をプレイした2000年当時は数年後、コナミ辺りがすごい進化させているに違いない!と思ったのだけど、結局まったく進化がなくて残念。現在では、こうしたAI動作型ゲームはTPSタイプのゲームに多いけど、テキストベースでAIを利用したゲームが出て欲しいものだ。TPSだと開発コストが高いけど、テキストベースなら、開発コストを下げられるだろうから、開発しやすいんじゃないかと。
 コラム本文で触れてないのだが、プレイ後に付き合っていた女性側の日記が読めるところも面白い。あの時に彼女はこう考えていたのか!とか、自分に隠れてこんなことをしていたのか!などがわかり、自分のプレイを新たな視点で楽しめた。

 『天国から来た男』を開発したエレクトリックシープは、酒井智巳氏の個人会社だ。酒井智巳氏はサンソフト時代に『ギミック』(ファミコン)を開発し、エレクトリックシープを設立してからは『ロボットコンストラクションR.C.』(X68000)、『Motor Squad』(Windows3.1)を開発している。
酒井 智巳[↑B]

オタク定点観測 第12回 ゲームでしか拾えない感情-『天国から来た男』の場合

 RPGやAVGなど話でプレイヤーを楽しませるゲームから、あらかじめ決められたシナリオをなくせるか? その問いに対する答えとして、オンラインゲームがあるが、この『天国から来た男』もその解答だろう。
 ジャンルは「恋愛・人間関係SLG」とされているが、これは便宜上の分類で普通の恋愛SLGとはプレイ感覚がまったく違う。テキスト画面が主体なので、AVGっぽく見えるが、人間関係SLGの面が強い。
 ゲームは、タイトル通り、死んでしまったプレイヤー(男か女を選べる)が天使に一ヶ月だけ生き返らせてもらうことから始まる。その間に、様々な登場人物と知り合い、会話や行動を選択していくことによって進行するのだが、このゲーム、決まった登場人物がいない。プレイするたびに登場人物が生成され、一回のプレイが終了すると消えてしまう。このゲームの世界は「一期一会」なのである。登場人物と交わされる会話も、登場人物の性格などから生成される。テキストで進行する『ワールドネバーランド』といえば、わかる人はわかるだろうか。
 このゲームの世界では、自分以外の登場人物も自律的に動いている。そのため、好きな子が他の異性とも付き合ったりするなんて事態も発生する。異性とある程度仲良くなるとデートができるのだが、デート中に女の子が他の男の事を聞いてきた時は、思わず嫉妬してしまった。また面白いのが常に確認できる人間関係図。この図はシナプスが繋がるようにどんどん広がっていく。そして、自分の個人情報(○○と付き合っている、など)が自分の知らない情報回路に載って、噂として流通したりする。
 プレイしていて感じたのは『ウィザードリィ』や『ローグ』の匂いだ。これらのゲームというのは、自己完結した世界(箱庭)の中が、一定のロジックによって動いている。また、プレイヤーに提示される情報が圧倒的に少ないが、プレイヤーは少ない情報から頭の中にゲーム世界を創造できる。その辺に海外ゲームっぽさを感じるのだが、『A列車』や『アトラス』などのアートディンクが作る一連のゲームにも通じるものがある。
 世の中には、良いシナリオのゲームは多々あるが、それらをプレイした時の感情は、ゲーム以外の媒体、小説などでも再現できる類のものだ。そんなゲームが好きな人にこのゲームは勧めない。しかし、『天国から来た男』をプレイした時に起こる感情は、ゲームでしか拾えないものだ。そんな感情を味わいたい人には、ぜひプレイして欲しいのである。

『天国から来た男』
メーカー●エレクトリックシープ
ジャンル●恋愛・人間関係シミュレーション
価格●8,800円 対応●Win95&98
Electric Sheep Co., Ltd. - 有限会社エレクトリックシープ[↑B]
天国から来た男[↑B]
(カラフルPUREGIRL2000年4月号掲載)

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コメント:1個

  1. 投稿者:interactive story / 投稿日:2008/5/10(土):

    天国から来た男というゲームがあったことを初めて知りました。面白いです。
    「AIが生み出すドラマ」というのに、Facadeのような制作者の作り込みの割合が強いものが含まれるのかが少し気になりました。プレイヤーの感じる「関わっている感覚」が大事なのか、記号化の度合いが高くてプレイヤーの解釈が含まれることが大事なのか、あるいは、可能世界が制作者の意図しないところまで広がっていることが大事なのか。
    Facadeはインタラクティブストーリー研究界隈では有名なソフトで、 http://www.interactivestory.net/ からダウンロード可能です。http://youtube.com/watch?v=GmuLV9eMTkg にトレイラーがあります。

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