正論を賞賛したくなるのは、信頼している相手から言われた時だけ : ARTIFACT ―人工事実―
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 反応集にいれようかと思ったのだけど、ちょっと別の話題になっていたので。

Scott’s scribble - 雑記。 - 「エスポワールで利根川の演説に感涙」と書いた。

もっと具体的に言うなら、
   「Web2.0」と「トップダウンによる意見の広がり」ってのは
   もっとも対極にある概念じゃねぇの?
という違和感というか不信感というか。同じ言葉でも権威ある人が言わないと通らない、もしくは同じ言葉でも権威の有無で受け取られ方や影響がまるで違うところに、使う(受け取る)人の限界が垣間見えたりとか。ましてやそれが他でもない梅田氏のエントリによって示されるってのはどうなんだとか。そういう感じ。

 各所で言われているように梅田さんの言っていることはちっとも新しくない。内容だけで考えれば、陳腐でさえあるといえるだろう。しかし、今まで言われてきた内容だから価値がないということではない。特に今回のような話は「正論」であり、「正論」とはそもそも誰が言っても受け取る側としては納得する。だから「正論」なのだが。しかし、納得したからといって、その言葉に心が動かされたり、何か行動しようと思うかどうかは別である。今回の梅田さんの「正論」が、たくさんの人の心を動かしたように見えるのは、それまでの梅田さんの行動に対して、何らかの信頼感や好感を持っている人がたくさんいたからだ。

 たとえ、発言の内容が同じでも、発言者と表現方法によって、受け手にとってその発言の重みは変わってくる。これは発言者が無名だからといって、その発言に価値がないと言っているいる訳ではない。Webにあるフラットさというのは、あくまで「参入機会の平等」であり、「発言が人に及ぼす力(影響力)の平等」ではないのだ。何らかの活動をしてきて積み重ねがある人と、そうした積み重ねがない人の間には、発言の影響力によって差が出るのは、しょうがないのではないか。
※内容は間違っていると思うけど、あの人は有名な人だから何も言わないようにしよう、というのは確かに良くないが

 また、表現方法によって、同じ内容であっても受け取られ方が変わってくる。それを端的に説明しているのが「糸井重里メソッド」だった。同じことを言うにしても、相手が受け入れやすいような加工はある。今回の記事の梅田さんの檄文口調はそうした工夫に入る。
モヒカン族 - 糸井重里メソッド

 そして、発言者への信頼というのを突き詰めていくと、結局「宗教」という扱いになってしまう。その辺を意識してか、糸井重里氏は宗教と言われることを覚悟していると発言している。
糸井重里インタビュー タダの「ほぼ日」が儲かる理由 - 日経ビジネス EXPRESS

  だから、「ほぼ日」は、人気が出たらそうしたことを言われるだろうけれど、もう覚悟しようと。やっぱり、宗教だと言われることを、若いときは恐れるんですね。でも言われてもいいやと、ただし引き止めないんですよ、うちの宗教は、というふうに言えばいいと思うんです。ただし、強制はしません。出入り自由の宗教です、と。

  また来たかったら来ればいいし、出るなら出ればいいしという、ただほかの宗教に行くだけのことで、そうしたらそれでもいいやと。できるだけこの中ではうそをつかない、できるだけお互いにいいところを褒め合う、みたいにして育っていきたいなと思って。で、その中に、コンテンツとして物を介在させる方がみんなが喜ぶということに気が付いたんです。

 これから考えるに、糸井重里氏は「トップダウンによる意見の広がり」を揺るぎなく信じていると感じる。正確には「ボトムアップに見えるようなトップダウン」を志向しているのではないかと見るが。
 また、岡田斗司夫氏はこういった構図を「自由洗脳競争社会」と説明していた。
ぼくたちの洗脳社会 目次

 こうした発言者の影響力に対して、無名や匿名で対抗するための有効な手段が「数」になっている。しかし、匿名では発言者の総数というのはわかりにくい。もしかしたら、同一人物が何回も書いているかもしれない。IPアドレスによるトリップがついていても、いちいちトリップを確認するのも面倒だ。ブログのコメント欄で、こうした同一IPからの書き込みをIP表示ではなく、何か色などで同一人物だとすぐわかるような表示にすれば、コメント欄の炎上に対してある程度防御ができるかも。
 Web2.0というか、CGMはこうした「数」を可視化することによって、無名や匿名の人の発言を評価しやすくできるように加工しているのであって、トップダウンによる意見の広がりをすべて否定している訳ではないと自分は考えている。


これまでのコメント

  1. [試考]「梅田望夫の正論」で知るネット社会の危険度…

    たとえ、発言の内容が同じでも、発言者と表現方法によって、受け手にとってその発言の重みは変わってくる。 これは発言者が無名だからといって、その発言に価値がないと言ってい (more…)

  2. 発言の信頼の条件を宗教と結びつける。
    こういう考え方好きです。
    もっと広まって欲しい考え方だと思います。

  3. "Webにあるフラットさというのは、あくまで「参入機会の平等」であり、「発言が人に及ぼす力(影響力)の平等」ではないのだ。" 正論を賞賛したくなるのは、信頼している相手から言われた時だけ : ARTIFACT ―人工事実― http://bit.ly/bddSA9

  4. kanizou より:

    RT @otsune: "Webにあるフラットさというのは、あくまで「参入機会の平等」であり、「発言が人に及ぼす力(影響力)の平等」ではないのだ。" 正論を賞賛したくなるのは、信頼している相手から言われた時だけ : ARTIFACT ―人工事実― http://bit.ly/bddSA9

  5. 本橋ゆうこ より:

    RT @otsune: "Webにあるフラットさというのは、あくまで「参入機会の平等」であり、「発言が人に及ぼす力(影響力)の平等」ではないのだ。" 正論を賞賛したくなるのは、信頼している相手から言われた時だけ : ARTIFACT ―人工事実― http://bit.ly/bddSA9

  6. Sougo TSUBOI より:

    RT @otsune: "Webにあるフラットさというのは、あくまで「参入機会の平等」であり、「発言が人に及ぼす力(影響力)の平等」ではないのだ。" 正論を賞賛したくなるのは、信頼している相手から言われた時だけ : ARTIFACT ―人工事実― http://bit.ly/bddSA9

  7. RT @otsune: "Webにあるフラットさというのは、あくまで「参入機会の平等」であり、「発言が人に及ぼす力(影響力)の平等」ではないのだ。" 正論を賞賛したくなるのは、信頼している相手から言われた時だけ : ARTIFACT ―人工事実― http://bit.ly/bddSA9

  8. ラスティ より:

    "Webにあるフラットさというのは、あくまで「参入機会の平等」であり、「発言が人に及ぼす力(影響力)の平等」ではないのだ。" http://bit.ly/b0dflj

  9. 吉川浩満 より:

    RT @otsune: "Webにあるフラットさというのは、あくまで「参入機会の平等」であり、「発言が人に及ぼす力(影響力)の平等」ではないのだ。" 正論を賞賛したくなるのは、信頼している相手から言われた時だけ : ARTIFACT ―人工事実― http://bit.ly/bddSA9

  10. Yoshiko Miwa より:

    RT @otsune: "Webにあるフラットさというのは、あくまで「参入機会の平等」であり、「発言が人に及ぼす力(影響力)の平等」ではないのだ。" 正論を賞賛したくなるのは、信頼している相手から言われた時だけ : ARTIFACT ―人工事実― http://bit.ly/bddSA9

  11. 刻み海苔 より:

    RT @otsune: "Webにあるフラットさというのは、あくまで「参入機会の平等」であり、「発言が人に及ぼす力(影響力)の平等」ではないのだ。" 正論を賞賛したくなるのは、信頼している相手から言われた時だけ : ARTIFACT ―人工事実― http://bit.ly/bddSA9

  12. RT @otsune: "Webにあるフラットさというのは、あくまで「参入機会の平等」であり、「発言が人に及ぼす力(影響力)の平等」ではないのだ。" 正論を賞賛したくなるのは、信頼している相手から言われた時だけ : ARTIFACT ―人工事実― http://bit.ly/bddSA9

  13. KUBO, Masato より:

    [bm]正論を賞賛したくなるのは、信頼している相手から言われた時だけ : ARTIFACT ―人工事実―: http://t.co/8jS7z3yK

  14. 【ブログ再掲】正論を賞賛したくなるのは、信頼している相手から言われた時だけ http://t.co/ENaoLw8P

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