Information
■2006/11/22にブログツールを変えました。WordPressの方にも過去ログは移しましたがURLが不完全だったりするので、2006/11/22以前のログにリンクする場合はMovable Type版跡地の方からお願いします。
Apple Store(Japan)

統一性を求めるユーザーに向けたアニメは手描きをやめて3D CGにすればいいんじゃないの?

add to hatena hatena.comment 0 user add to del.icio.us 0 user add to livedoor.clip 0 user [アニメ制作] 2006/7/27(木) PM3:00

ARTIFACT@ハテナ系 - アニメーターのわずかな個性も許さないアニメファンに絶望した!
ARTIFACT@ハテナ系 - 前の記事の反応について
 この記事に対して、かなり反応があったので、前から考えていたことをまとめてみた。

 昔のアニメは「30分CM」という椰揄があったように、おもちゃ会社などのプロモーションフィルムの性格が強かったが、1980年代にOVAという映像自体を売るビジネスモデルが登場したため、アニメファンにアニメそのものを売ることができるようになった。そして1990年代前半には『無責任艦長タイラー』や深夜放送の『エルフを狩る者』などで「テレビ放映で宣伝して、LD/DVDといった映像商品を売るビジネスモデル」というアニメが登場して、このビジネスモデルはより一層盛んになった。
 同時に技術の進化によって、ビデオ、LD、DVDと映像記録メディアが変遷し、当初は1万円以上するビデオを売るしかなかったのが、DVDによってリーズナブルな価格で売れるようになる。こうして、映像作品を購入するという行為がカジュアル化した。
 映像商品として売る場合、オリジナルよりも、すでに知名度のある原作をアニメ化したほうがファンが買ってくれるため、商売がしやすい。そのため、アニメ化を前提にしたメディアミックス作品も増えてきた。
 また、受け手も変わった。ゲームのように、ビジュアルなど様々な面で揺らぎがなく、統一性の高いメディアに慣れた受け手が増えてきたのだ。この層に映像商品を売るためには、アニメーターや作画監督による癖の違いなどは極力排除し、作品のビジュアルを統一したほうがいい。
(※ここでいうゲームとは、アニメの影響を受けて登場したギャルゲー、エロゲーなど、手描きのイラストがゲーム中に多く登場するジャンルのものを指している)

 アニメ制作スタッフは、昔はおもちゃ会社などのスポンサーという枠に縛られてきたが、今度は原作ファンという受け手の枠に縛られる様になった訳だ。おもちゃ会社は、作品内に登場する自社の商品の描写に敏感だったが、原作ファンは原作と違う部分に敏感である。だから、原作を忠実に再現する制作スタッフの評価は高い。京都アニメーションはこうしたファンの動向を敏感に嗅ぎ取ったアニメ制作会社といえるだろう。

若宮真帆 統一性を求めるのなら、手描きというシステムは効率が悪い。極論すれば、統一性を求めるのなら、すべて3D CGにすればいいのだ。えー3Dでは…なんて思う人もいるだろうが、3Dの世界の技術革新ははやい。現在トゥーンシェーダーというとセルばかりだが、いずれイラストレーターの個性的なタッチを再現できるシェーダーがたくさん登場するだろう。現在ライトノベルで活躍しているイラストレーターのタッチそのままに動くアニメがあったら、大変商品価値が高いことだろう。そんなシェーダーを開発できる技術力を持った会社というのが、今後この市場を制覇するに違いない。
 また、これは受け手だけの問題でもない。アニメーターによる表現の揺らぎをよしとしない人は作り手にもいるからだ。押井守氏は『イノセンス』において、レイアウトを美術の人間に担当させ、アニメーターの画面構成での役割を下げた。とあるアニメの監督は、アニメーターの独走をよく思っておらず、映画『アップルシード』で行われた低コストによる3D CGでの劇場アニメ制作に興味を示していた。
(※押井守氏の話は「キネマ旬報」で読んだものだが、『イノセンス METHODS 押井守演出ノート』の西尾氏によれば通常の行程で行われていたという発言もあり、すべてのものが美術主導ではなかったようだ)

ARTIFACT ―人工事実― : 3D萌え最前線『らぶデス』
 右の絵は『らぶデス』だが、すでにこれだけのものができているんだから、5年後ぐらいにもっと進化しても不思議はない。
ポリアニ
 新作の情報出ていたけど、また進化してた。

 以前書きかけてお蔵入りしていた文章をせっかくなので再利用する。

■手描きアニメの未来を妄想する
※手描きのアニメーションにおけるアニメーターの人材確保が難しくなるであろうことと、『アップルシード』『SDガンダムフォース』といった漫画デフォルメのキャラによる3D CGアニメーションの普及を見て考えた妄想。

 2010年、国内では手描きのアニメーターの確保が難しくなった。そこで考えられたのが、3D CGへの完全移行であった。それまで背景などにも3D CGを利用していたが、人物にも3D CGを利用しようというのだ。3D CGはコストが高いイメージがあるが、素材を流用できるというデジタルならではの強みがある。しかも一回クオリティの高いモデルを作れば、その後は動きをつけるオペレーター的なアニメーターだけで済む。手描きアニメーションにおいて難しい作画の品質管理が向上するのだ。こうして、人物、背景、ともに流用が効くようになり、制作コストが下げられた。
 子供たちは、既に漫画原作のゲームで、漫画キャラの3D化に慣れていた。当初は、漫画原作のテレビアニメが2Dから3Dになっていった。そこで使われていた3Dのデータは、PS3やXbox360といった高品位の映像が作れるゲームマシンと共通だった。同じ3D CGデータを利用して、ゲームと毎週テレビアニメが放映できるようになり、コストが削られるようになったのだ。
 この事態を何より喜んだのはゲーム会社だった。自社の持っている3D技術が利用できるからだ。手描きアニメのアニメ制作会社は技術力の面でゲーム会社にかなうはずがなかった。ゲーム会社が弱かった演出やシナリオといった映像の基本設計を作るパートのスタッフたちは、どんどんゲーム会社が制作するアニメに移っていった。
 劇場アニメ市場はアメリカ制作の3D CGものばかりだったが、この3D CG化によって、ゲーム会社が一般向けの劇場アニメに参入するようになる。すでに3D CGのみとなっていたアメリカの劇場アニメ市場にも参入できるようになった。
 このままでは手描きアニメーションは壊滅してしまうと考えたアニメ業界は、政府に保護を求めた。こうして、手描きアニメーションは歌舞伎などと同じ、伝統芸能となり、国からの補助金でほそぼそと生き残るのみとなってしまった。

※この記事を書く上で参考にした記事
すべての謎にエロがある@得意な科目は家庭科 - 「涼宮ハルヒの憂鬱」を見る憂鬱 ~TVアニメの消失~
 メディアミックス作品において、原作の立場は大変強力だという指摘。

kj日記第3工区 無知の恥 - 雑記その1
kj日記第3工区 無知の恥 - 雑記その2 (雑記その1「演出意図のあるアニメ作画に拒否反応を示すオタクに関する考察」のあまり連続性ない続き)
 従来のアニメファンと違い、ゲームが基本の世代はアニメ内の表現の揺らぎを許容しないのではないかという指摘。

トラックバック/ピンバック:3個

  1. トラックバック: 裏鷹泥日記[↑B]より - 2006/7/28(金)

    [アニメ]作画オタはまずSDガンダムフォースを見よう

    ARTIFACT ―人工事実― : 統一性を求めるユーザーに向けたアニメは手描きをやめて3D CGにすればいいんじゃないの? 作画のゆらぎへの不寛容、ということを突き詰めていけば、その理想は充分に発達したトゥーンシェイドに行き着くんじゃなかろうか まあ一応子供向けという建前

  2. トラックバック: 秋元おすしのプロデュース日記[↑B]より - 2006/7/31(月)

    [CG]キャラの息吹はすべてセットアップ技術にかかってると思う

    ARTIFACT ―人工事実― : 統一性を求めるユーザーに向けたアニメは手描きをやめて3D CGにすればいいんじゃないの? ゲームだとセガのシャイニングシリーズ最新作がビジュアルがんばってると思います。アニメ調ではないけど手書き風(なんだかもろ80年代風なんだけど)3DCGの

  3. トラックバック: SSide.net[↑B]より - 2006/8/2(水)

    コンシューマ・ラブ

    ゲームグラフィックで一口に「技術力」なんて呼ばれるけど、その根幹はどっちにあるの…

コメントをどうぞ

※コメントの内容が、「文章から意味を見出せない」「元の記事と関係がない」「他人のプライバシーを侵害している」「他人を中傷している」など問題があると管理人が判断した場合、削除させていただくことがありますので、ご了承ください。
※コメント欄で初めて書き込まれる場合でも、挨拶は必要ありません。
※spam対策のため、リンクが二つ以上あるコメント、TrackBackはいったん保留されます。承認されるまで表示されませんのでご了承ください。
※その他、コメントを書き込む際はこちらの注意をご覧ください。

Sky sponsored by Aviva Web Directory