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通信業界「僕たち魅力的なコンテンツを作る能力はないんだけど、君らのコンテンツは魅力的で訴求力があるから、こっちで配信させてよ」放送業界「お前ら自身で作れ!」

add to hatena hatena.comment 0 user add to del.icio.us 0 user add to livedoor.clip 0 user [文化] 2006/7/25(火) PM12:00

 著作権談義でのプレイヤーを整理してみる。

  • 流通インフラ
    1. 既存の業界(テレビや映画業界)
    2. ネット(通信業界)
  • コンテンツ制作側
    1. 既にヒット商品を持ち、稼ぎが多いために予算が多く、既存の流通を自由に使える立場(ディズニーとか)
    2. まだヒット商品がなく、稼ぎが少ないので予算も少なく、既存の流通にアクセスしにくい(自主制作とか)
  • 受け手
    1. 受動的で面白いものが見られればいい
    2. 能動的に面白いものを探したい

 今のネット上のYouTube議論は、受け手2の人たちが流通インフラ2でコンテンツ制作側1の作品を自分の好きな時に観たい、と言っているものが多い。

 コンテンツ制作側1からすれば、流通インフラ1が使えるから、流通インフラ2は「押さえる」程度でいい。

 流通インフラ1の立場にある放送業界からすると、通信業界の要求は、「僕たち魅力的なコンテンツを作る能力はないんだけど、君らのコンテンツは訴求力があるから、こっちでも配信させてよ」に見える。放送業界は創業期に映画業界の人たちを使ったりして、一生懸命コンテンツ作ってきたのに、それを単に僕らにも分けてよとか言われても、お前ら自身でやればいいだろ!と思っちゃう。

 テレビのコンテンツ制作能力はいまやかなりの部分が制作プロダクションにアウトソーシングされているから、IT業界も同じように制作プロダクションに頼めばいいんだろうけど、現実には予算が少ないためにしょぼいものしかできない。IT業界の広告規模がテレビなみになれば、現在の地上波と同クラスの番組はできるのだろうけど、それは現実化するとしてもかなり先だから、手っ取り早く買収しようという話に。

 流通インフラ2の人たちには、コンテンツは単なる客集めと思っているところも多い。そんな制作サイドを育てようという意識をあまり感じないことにコンテンツ制作側で不信感を持っている人たちもいそうなんだけど、あまり聞かないなあ。これはライブドア騒動の時のGLOCOMでのカンファレンスの時に、制作者の立場の人が「テレビ局は制作者側に対しての気遣いがいい」と言っていて、なるほどと思った。ただ、その制作者の人はヒット作の関係者だったので、優遇されているという可能性も高いけど。

 受け手1でも潜在的に受け手2になる層はいるんだけど、テレビのチャンネルを変えるぐらいの能動さで、同じような面白さを提供できるような仕組みができればよさそうだ。

 プレイヤー(再生機)の問題。音楽は、iPodみたいなプレイヤーとして良いインフラが出てきたために、強制的にルールが変わってきた。映像も、現在の携帯映像プレイヤーがもっと安価に手軽に使える様になれば変わるのかもしれない。そしてCDのアルバムが1曲ごとにバラ売りされて断片化されていったように、映像も印刷媒体も、断片化されて消費される?

 これは特に確証もない自分の予想なんだけど、ネットですべて完結するようになったら、異常に消費スピードが上がってしまって、コンテンツの商売はすごく続けにくそうな気がしてる。コンテンツ制作者からすると、消費スピードをコントロールできないメディアというのはコンテンツビジネスとすごく相性悪いのではないかと。

 津田大介さんがよく言う様な受け手のニーズがあるんだから論はわかるんだけど、このユーザーニーズはどうやればお金になるのだろうか?という疑問もある。
 津田さんのNIKKEI NETのコラムで
【新連載コラム】「YouTube」は敵か味方か インターネット-最新ニュース:IT-PLUS

良い悪いはともかく、YouTubeは動画コンテンツを消費したいユーザーにとって「理にかなっている」サービスなのだ。

という記述があったけど、この「コンテンツを気軽に消費したい層」はどれだけコンテンツにお金を払ってくれるのだろうか?ということ。断片的なものを見てそこで満足してしまいそう。教育テレビのお姉さんのスプーは面白いけど、それがお金を稼げる回路というのはあまり考えつかない。
 もちろん、気軽に消費するユーザーが増えれば、その中に一定の割合でお金を払ってくれるユーザーも増えるだろうけど、既存のビジネス以上に儲かるのだろうか?
 そもそも5分程度の短い映像作品なんてのはビジネスになりにくいから、少しでも稼げるのならラッキーという考え方もある。
 頭のいい人が、このユーザーニーズをうまくお金に変換する方法を考えてくれることを祈って。

 大雑把にまとめる。

 すでに知名度のある制作者たちにとってネットは既存のメディアより利用価値が低い、知名度がない制作者たちからするとコストが安いネットは利用価値が高い。
 ネットは、プロモーションの場としての利用価値は大変高いが、コンテンツビジネスの利益回収の場としては難しそう。

※自分の書いた関連記事
ARTIFACT@ハテナ系 - 見られないという焦燥感がネットで見ようという意欲に繋がる/その意欲がない作品はネットに存在しても見られない

※参考記事
音楽配信メモ YouTubeコラムをNIKKEI NETに寄稿して思ったことなど
デジモノに埋もれる日々: YouTubeの著作権を巡る議論、ここまでの流れ
デジモノに埋もれる日々: YouTubeと著作権 - ルール改変を迫るための社会的影響力

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