伊藤穰一氏がまたJBAに関して面白い発言をしていたのでツッコミ。
ITmedia エンタープライズ:Joiこと伊藤穰一氏、ブログの「今」を語る (1/3)
伊藤 「ブログを広めよう」と2002年にJapan Blogging Association(JBA)を武邑光裕氏、飯野賢治氏などと立ち上げたんですが、2ちゃんねるとかでたたかれたんですよね(笑い)。
批判の論拠としては、「(ブログって)ただの日記じゃないか。また伊藤がさも自分が発明したかのようにうんぬん」であったり、「日本とアメリカは違う。(日本人は)閉鎖的でブログなどは普及しない」といったようなことなどでした。確かに当時、日本の日記サイトで使われていた技術、例えばはてなのリンク分析の機能などは、はっきり言ってブログが持っていた機能より高度なものでしたから、その意味では批判の中にも真実はありました。
最初の段階で、日記のコミュニティーとコミュニケーションを取ってうまくやっていこうといった機運にならなかったことが後悔というほどではないにせよ思い起こされますね。
このインタビューではJBAが具体的にどんな活動をしていたのか、説明されていません。また、武邑光裕氏、飯野賢治氏はJBAの立ち上げこそすれ、その後の運営にはほぼ関わっていません。
もちろん、ブログツールはすごいと目をつけた伊藤穰一氏の視点はすごいと思っていますが、この発言はあまりにハッタリ過ぎます。JBAが何をしていたのか明確に言わず、何かとてもすごい活動をしていたかのように思えるように言うのは、ハッタリの基本ですね。
※細かい点だけど、はてなダイアリーのリンク分析(アクセス解析)は特に高度な機能ではないので、これはキーワード機能と勘違いしているとか?
※これはtDiaryのアクセス元表示ではないかという指摘アリ
ARTIFACT ―人工事実― | JBAの問題点に関する報告/JBAとネオテニーの関係について
以上のことも含めて、詳しくは2003年7月に書いたこの記事を参照して欲しいのですが、概略を説明しておきます。
JBAは伊藤穰一氏が言うようなメンバーで、2002年10月に設立され、12月にサイトができた団体です。その理念はブログを日本で普及させることでした。それ自体は全然問題がなかったのですが、実際にJBAが行っていたことは、問題点が数多くありました。
○ブログに関する組織だといいながら、ブログに関する情報の共有、提供が行われているとは言えない。
○トップベージに大きなサイズの動画、音声データが埋め込んであり、ナローバンド環境やスペックの低いマシンで閲覧することを考えていない。
○サイトに掲載している画像や動画、音声データはJBA以外の人物、団体が著作権を持っているものがほとんどであり、著作権者に問題視される可能性は多々ある。もし、問題視された時、「日本のブログの代表」と称する組織だから、ブログがそのようなイメージで捉えられてしまう可能性が高い。
○最大の問題は、JBAのサイトにCreative CommonsのPublicDomain指定という「権利をすべて放棄する」一番強力ライセンスをつけていることである。このため、第三者(特に日本語の読めない海外の人)がライセンスを見て、JBAでリンクされている画像や動画、音声データもすべてがCreative CommonsライセンスのPublicDomain指定にあると勘違いする危険性がある。
○そのような問題のあるサイトを、海外の人間が日本のブログに関する代表団体と認識をしてしまう危険性がある。
最大の問題であったCCライセンスこそなくなったものの、活動自体は特に変わりはなく、結局2003年7月に解散します。現在でもトップページにはこんなことが書かれています。
JBA
さて、より多くの方にBLOGの存在を認識していただき、その推進と発展の目的で発足したJBAでございましたが、昨今のBLOGに関する状況の活性化、数多くのBLOGサイトの立ち上げ状況など見るに、JBAの果たすべき役割は概ね達成されたとの認識に至りました。
何も知らない人には、何かためになる活動をしてきたかのように読めるのがすごいです。
2003年2月にはishinaoさんもJBAは本当にブログを普及させる気があるのか?と批判されています。
JBAの人たちって (20:11) - いしなお! (2003-02-16)
私は、MovableTypeおよびその他blog系システム自体や、blog系システムを使った個人Webサイトが増えることによって起きうる革新の可能性などについては、とても興味があるけれども、そういうものに興味をもち可能性を感じている人間にとって、そういうものに対しての誤解や偏見を助長するようにしか思えない現状のJBAは、逆に迷惑な存在だ。現状のJBAなんて存在しない方が、MovableTypeや日本におけるblogの可能性がよほど増すんじゃないかとすら思っている。JBAの活動に意味があるとすれば、それは単に「広告塔的に目立っている」ことだけだろう。
当時のJBAに対する印象は、この文章に集約されています。
それにしても、インタビューにあった「2ちゃんねるとかでたたかれたんですよね」とかいって、2ちゃんねるのせいにしておいて同情をひくというのは便利なメソッドかも。
Joyful - Planet GEEK [ITmedia オルタナティブ・ブログ]
インタビュアーの方は、JBAがどんな活動をしていたのか調べてから、インタビューして欲しかったです。
今回のオチは、総務省メソッドで「インタビューは文脈が変わっている。実際に言いたいことは違う」と伊藤穰一氏が英語ブログで発表に一票。
ふと思ったんですが、伊藤穰一氏はsix apart社にベンチャーキャピタルで投資したんだから、はてなに投資すると、日本のネットユーザーからの株が上がると思うんですけど、いかがなもんでしょうか。
ITmediaニュース:「はてな」という変な会社 (2/2)
モヒカン族 - モヒカン族otsune - なんか呼び出されたから読んでみたけど……。俺は別にJoi狩り担当じゃないよ(担当はJoiとはメル友のid:yomoyomo)
「日本はなんだかアメリカのできそこないになっている」というフレーズの強烈さを指摘。
歴史は性懲りもなく繰り返すが、何もかもが懐かしいなどとは思わない
yomoyomoさんによるコラム。今回のインタビューについて後半で言及。伊藤穰一氏が日本人は閉鎖的と執拗に触れている点に注目。
※おまけのツッコミ
これは余談ですが、早稲田大学文学部の就職率が10%程度だと人から聞いて、「それなら残りの90%ブログを書けばいいのに」と思いましたよ(笑い)。ものは書けるけど書く媒体がないという人はいるので、きっちりと発言する場さえあれば伸びると思うんです。

大丈夫、慶應大学などの大学生の方々が、よくわからない就活ブログをがりがり書いて、伊藤氏の言う通りの世界になってますから。そんな素敵な活動が「ウケるブログセミナー」になったりします。
ARTIFACT@ハテナ系 - ウケるブログセミナーはすごかったようだ
※厳密には会社に就職するためにブログを書いているので、就職しないでブログを書いたらという伊藤氏の提案とは違う
そして、大人のドリームビッグサクセスマガジン『BIG tomorrow』で「始めたとたんに年収が5倍!の例も 自分の仕事に即役立つ、ブログ活用実例集――自己PRから集客、お金の稼ぎ方まで、最強ワザを紹介」なんてステキな特集が組まれたりも。
青春出版社 月刊BIG tomorrow
※特集記事自体は特筆するほどのことはなかった