不思議ちゃん/矢沢あいの漫画/そして注目されない男不思議ちゃん : ARTIFACT ―人工事実―
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network styly *: WEB日記を証拠として「押収」する。 ?大阪家族殺傷事件のゴスロリ少女の事例から、WEB日記の「内面表現」をめぐって
 ハマノさんのまとめでいいやと思ったんですが、その後の反応もあるし、自分の中で整理と記録する意味を含めて。
 反応が多かったため、相当長いです。面倒な人はとりあえず一番下を読んでください。

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はてなダイアリー - recent events@TRiCK FiSH : 大阪河内長野市・家族殺傷事件について
はてなダイアリー - recent events@TRiCK FiSH : 大阪河内長野市・家族殺傷事件について:2
はてなダイアリー - recent events@TRiCK FiSH : 不思議ちゃん:その3(くらいだっけ?)
 この松谷創一郎さんによる文章が各方面に反応を呼びます。
 ちょっと前にスタジオボイス絡みで書きましたけど、ここで松谷さんのいう「サブカル」はここ10年近い期間でできたものであって、その辺の文化背景の考察なしに、全部まとめてしまうと、取りこぼしてしまうものが多そう。
はてなダイアリー - recent events@TRiCK FiSH : 「??」という呼称と「アクロス」誌の20年
 それに関しては、近々、不思議ちゃんの歴史を考察されるそうです。

 あと、松谷さんがいう「サブカル劣等生」は、そういう「サブカル偏差値」で計られる空間にいない、またはそこから脱出しようとしているんじゃないかと考えてます。「サブカル偏差値」という基準でエリートになることが正しいという価値観を信じておらず、個別のコロニーを作って、その中で満足できればいいと。これは果たして問題視されるようなことなんですかね。
 エリートになりたい人は、その人で勝手に努力するだろうから、その努力を手助けできる環境を整備してあげればいいんだし。大塚英志氏とササキバラ・ゴウ氏の『〈教養〉としてのマンガ・アニメ』はそういう本だと思ってます。
 このような大衆化は避けられない流れであり、これは「オタク」でもいえる話でしょう。岡田斗司夫氏が提唱するような「オタク」のエリートに憧れない、というオタク層はすでに登場しており、上の文の「サブカル」は「オタク」に置き換えられます。

サブカルチャーと個人化?コミュニケーションとアーキテクチャーの相互作用? - MIYADAI.com Blog
 偶然にも、宮台真司氏のサイトで最近アップされた文章が、サブカルチャーの変遷がコンパクトにまとめられており、見取り図としてわかりやすいので必読。「サブカルチャーの島宇宙内部のコミュニケーション・ツール化」という部分が今回の話に特に当てはまりそうです。

■network stylyやTRiCK FiSHに対する反応。
大人・不思議さん - SOUL for SALE
 映画『新しい神様』を引き合いに出して考察してます。

はてなダイアリー - ネ タ の タ ネ : 対抗のための退却
 母親の年代が戸川純世代ではないかという考察が興味深いです。

はてなダイアリー - *** rinriの東京写真日記 ?あたしのあたまんなか***
berriebook : brblog > Wellinton's blog : 内面と虚構と差異と

はてなダイアリー - 日日ノ日キ : 大阪河内長野市・家族殺傷事件について
はてなダイアリー - 日日ノ日キ : WEB日記を証拠として「押収」する。 ?大阪家族殺傷事件のゴスロリ少女の事例から、WEB日記の「内面表現」をめぐって
 大塚英志氏の少女語りについて触れられて、ここから別の流れもできます。

涼しい顔して客観視ばかりを書く人の気持ちがわからないので知りたいなーと思うワケです。

 そういう風に見られてそうだと思うのでちょっと書いてみます。自分の場合、視点を退いていって、どこまでが自分の主観なのかを見極めたいからです。そこでわかった自分の主観をストレートに発表する気はあまりないので、客観視したことばかり書くことになるという。あと、メディア上で自分語りばかりすると、大塚ギチ氏のように「自分語りうぜえ!」といわれる可能性が高いので、そういうことを書かない習性がついたというのもあります。それに、メディアやネットで発表している文章だけが、その人の考えすべてじゃないですよね。

 余談ですが、最近のヨシダアミさんの活発な言動に対して、「はてなクィーン」という称号を送りたいと思います。

■矢沢あいの『NANA』絡み。
はてなダイアリー - recent events@TRiCK FiSH : 鈴木謙介「どうして恋をするだけでは幸せになれないのか:矢沢あいにおけるイノセント」 『ユリイカ』2003年11月号所収
反復する記憶のビート - SOUL for SALE
はてなダイアリー - 日日ノ日キ : 矢沢あい分析

■この流れで大塚英志氏の語る少女論についても反応が。
はてなダイアリー - うさじごにっき

イマイチ言葉に出来るモノでもないですが。言葉にしたら少女を欲望する男の論理でしか語れなさそうなのでやめておくです。大塚英誌の語る少女論が少女にもかつて少女であった人にとっても気持ちが悪いのは男の欲望する少女であって、それも少女のひとつの本質ではあるのでしょうけどその次元に押しとどめてしまうような傲慢さがあるのかな、とか思ったです。

 大島弓子氏の漫画について。

はてなダイアリー - 日日ノ日キ : 少女の感傷

非常に的を得ているなと思う。多分、女子はこういう目で見られている自分というのもひっくるめて利用しているのでしょう。

はてなダイアリー - 空腹海岸海の家 実行準備委員会(アジト)『2days4girls 2日間で4人の女とセックスする方法』

そーだー!宮台だか大塚だかもよく聞いておけ、オメーラみんなオヤジなんだよ!モノワカリがいいお兄さん気取っても女子高生なんかにゃモテネーよ!みっともねえからやめろやめろ!

 村上龍氏の『2days4girls 2日間で4人の女とセックスする方法』に対する「空腹海岸海の家」の文章から、こんなコピペを作ってみました。

 あーなるほど、自分の[サブカル]好きの正当化の為に、[サブカル]依存の女たちを保護するでなく突き放すでなくダシにしつつ、自分のトラウマを都合よく探す話なのですね。
【だが[ゴスロリちゃん]も[サブカル劣等生たち]も[サブカル]が好きなわけではない。他にマニアックになれるものがないのでしょうがなく[サブカル]を続けているだけだ。彼女たちには趣味がない。彼女たちは趣味で救われることなどないし、だいいち救われたいなどと思っていない】
 おせっかいですごく女に興味があるのに、ええ格好しいで責任回避の為に距離を置くというスタンスは、なんかムカツかんでもないんですが、どうなんスかね、松谷先生?

 そういえば、日記サービスをいろいろ読んでいた時に、「多重人格で自傷コスプレイヤー」という女子高生の日記を見つけて、興味深く読んでいたんですが、その日記の記事タイトルに「西園伸二」(『多重人格探偵サイコ』の登場人物名)というのがあって、『多重人格探偵サイコ』はこういう層に届いているんだと実感しました。

■「サブカル劣等生」に対する反応。
はてなダイアリー - おたくになりたい

あら?その程度の考察だったの??うそ?ん。理由付けができていないから頑張ってるんじゃないの?その「優等生」さんたちは?

 「サブカル偏差値」という概念に反応する人が少ないのが意外でした。みんな、自分はサブカル劣等生ではないと思っているから?

■この不思議ちゃん語りに対してのカウンター。
Beltorchicca 2003/11/14

女子――この知的に劣った蛮族、それでいながら魅惑的な身体で男を翻弄してやまぬ生き物を幻想において所有すべくロリコンインテリは語るね。大塚英志の昔から。

 オンナノコを語るオトコノコはみんな大塚英志になっちゃう! かも! かも! かも!(byカレイドスター)

 Beltorchiccaのdemiさん流れで。
はてなダイアリー - close/cross; confusion is sex
 「君たち!私をダシにしてイチャつくのはやめたまえ!」というコメントが面白過ぎます。demiさんはネット世界の女子基準になっている? それはそれで極端過ぎる気が。
はてなダイアリー - close/cross; confusion is sex

性差意識をすり抜けたいならオンナノコじゃなくてオバサンになればよろしいのでは?んで家事育児介護ついでに賃金労働を引き受けると。そんな勤勉な男子に対してはだれも「オトコノコはわかってない」なんていわないと思いますよ。むしろえらいちやほやされると思う

 女性向け雑誌などのメディアによって規定された「オンナノコ」(中年女性は含まれず、若い女性のみ)に憧れるオトコノコたちという構図?

■自分のまとめ
 大阪のゴスロリ少女が、18歳の大学ゴスロリデビュー(少女の影響でゴスロリを着るようになった)の男性と付き合ったのは、『新しい神様』と同じように、恋愛で救われると思ったからなんでしょうか。恋愛で救われると思うこと自体は別にいいんですが、彼女に相手を見極める能力のなかったことが悲劇だったんでしょうけど。
 そして、この男性は家族を殺してしまったというのに、メディアでは全然注目されないんですが、こういう「男不思議ちゃん」という存在はいまや結構多いのに、なぜか考察されません。なので、いろいろな人による考察を期待したいところです。
 「男不思議ちゃん」の元祖は橋本治氏で、その後、大塚英志氏や宮台真司氏みたいな女不思議ちゃん好きなインテリオヤジになることが多いが、今は、ジェンダーやフェミニズムにいったり、滝本竜彦氏みたいにひきこもりになるのではないかと考え中。

追記:
 宮台真司氏は、男不思議ちゃんではなく、村上龍氏と同じマッチョ系だろうという指摘がありました。確かに師匠の小室直樹氏はマッチョ系だしなあ。
 あと、「男不思議ちゃん」は「不思議くん」だろ! オラァ!という指摘がありましたので、「不思議くん」を広めていきたいところです。

 そして、こういうことを考える時に、更科修一郎さんの文章が参考になることに改めて気付かされます。
【N.C.P.】Vol.20 『涙は悲しさだけで、出来てるんじゃない』

作品を素材として紡がれる個々の幻想は、退屈な日常を生きていく上で大切なものだけど、コミュニティ内の相互補完によって原理主義=妄想と化した集団を眺めることには、いささか疲れてしまったし、ネット上の美少女ゲームを巡る神学論争の数々を眺めていて、80年代に少年時代を過ごした不思議男子は結局、ろくな自己表現手段を見つけられないまま、美少女ゲームに楽園を幻視する空想旅行家になってしまったのか……と、複雑な気分にもなった。
 それは「私、戸川純によく似てるって言われるのー」とか言いつつ、澁澤龍彦やペヨトル工房を愛好していた、ゴス系少女幻想に取り憑かれた不思議女子たちが、90年代に入って、リビドーを発散する自己表現手段を見つけて、観念の憑き物を落としていったのとは正反対の結末と言える。もっとも、発散する手段を発見できなかった不思議女子は、やっぱり観念だけが肥大しまくって、身も心も怪物化したんだけどさ……。

【N.C.P.】Vol.21 『世界の終わりと、はじまりの楽園で』

 ふと、『ONE』の浩平を思い出したのだが、例えば、二次元の妹という、コミュニケーションに伴う不安を極限まで軽減された相手ですら、男性(父性)という役割を演じきれない男の子たちは、それこそ、男として生まれてしまった責任(原罪)を女の子に償い続けることでしか、生きていることを許されないのかも知れない。けれど、いったいどうやって償えば良いというのか?

【N.C.P.】Vol.22 『「ガンダム」という名の、閉ざされた戦後。』

 そこまでして守りたい「イノセントな自分」とはそもそも何なのか、というところに結局は思い至ってしまうのだが、フェミニズムによってあらかじめ破壊され、自立した男性である道を断たれた「男の子」である我々は、辿ってきた道を戻り、バーチャルな母の膝=「楽園」を必要とする理由と対峙することでしか、おそらく、付きまとう不安を解決することはできないのかも知れない。

 しかし、大半のユーザーは不安との対峙を先送りし、イノセントな存在であり続けることで、いつか、白馬の王女様がやってくるであろうと願い続けている。しかし、フェミニズムによって欲望を肯定された現実の女の子は邪悪な存在でしかないし、「押しかけ女房」という白馬の王女様は二次元にしかいないのだ。

■「不思議ちゃん」で検索して見つけたページ
不思議ちゃんの系譜[テクノポップ]All About Japan(1/4)
 音楽から見る不思議ちゃんの系譜。70年代は水森亜土、岸田今日子、谷山浩子、矢野顕子(真打ちだそうです)、80年代は戸川純、90年代は椎名林檎、あと篠原ともえという系譜に納得。

不思議ちゃん考
 不思議ちゃんを「ロリータファッション乙女チック仮性不思議ちゃん」「自称文学少女の自虐ナルシスト仮性不思議ちゃん」「真性ミステリアスクールビューティー不思議ちゃん」「真性天然ボケぽよよーん不思議ちゃん」を四つに分類。


これまでのコメント

  1. kagami より:

    不思議ちゃん…なんか
    「あははーっ」と笑っている左祐理さんしか
    頭に浮かばないのは、私の想像力貧困のゆえ
    でしょうか…(^^;

    >加野瀬さん
    どの程度だと不思議ちゃんで、どの程度だと
    不思議ちゃんじゃないのか、そのラインが
    不明確で、いまいち、私には論が掴みにくいのですが、
    不思議ちゃんと、非不思議ちゃんを分ける
    ラインというのは、どんなものなのでしょうか?

  2. ami より:

    心にひっかかるネタが必ずとりあげられるので、興味深く拝見させていただいてます。
    しかし、はてなクィーンって(笑)。そんな称号は要りませんので謹んで辞退させていただきます。加野瀬さんがキングになってくださったら考えたいと思います。

  3. 加野瀬 より:

    >kagamiさん
    そういえば、エロゲーの登場キャラで、リアル不思議ちゃんに見えるのはあんまり思い浮かばないです。
    不思議ちゃん定義はいろいろあると思いますが、僕の場合、「凡庸であることから逃れ、個性的であろうとした結果が凡庸だった人たち」です。
    分けるラインですが「凡庸であることを認められるかどうか」だと考えてます。

    今回リンクした先の方が書いたもので「不思議ちゃん」に関してわかりやすそうなものをリンクしておきます。
    http://www.naked.co.jp/pic/interview/nananan/nananann_02.html
    http://www.naked.co.jp/pic/interview/nananan/nananann_03.html
    http://www.socion.net/soul/index.php?itemid=136

    >amiさん
    「カリスマはてなウォッチャー」みたいな言葉遊びなので、別に名乗ってほしい訳ではないですよー(笑)。

  4. 松谷 より:

    加野瀬さん、まとめてくれてありがとうございます。大変だったでしょう(笑)。でも、こりゃ便利。
    「不思議ちゃん」定義は難しいですよねー。ただ、僕の場合はその定義をめぐってイデオロギッシュに争う気はなく、過去の文脈を参照しながら「定義そのものが変わってきた」という話しかできないんですが。まぁでも、結論から言えば「浸透と拡散」で、それは加野瀬さんのおっしゃるとおりオタクの「大衆化」と近しい感じだと思います。実際に、いまの「不思議ちゃん」と「オタク」って、かぶりますからね。ゴスロリってオタクっぽいし。
    それと、宮台さんと大塚さんって、やっぱああいう嫌われ方するんですよね。それは過去に何度も見られてきたことですが、このあたりで宮台さんや大塚さんなりの気持ちを読みとる上で参考になるのは、上野千鶴子×宮台真司『買売春解体新書』(つげ書房新社)じゃないでしょうか。上野さんに突っ込まれて、宮台さんちょこちょこゲロしちゃってます(と、僕には読めます)。でも、それは開き直りでもなんでもないことは留意すべきところでしょう。また、個人的には、加藤周一の『性現象論』の最後あたりで触れられている、瀬地山角と加藤周一の議論を思い出しました。「男はフェミニストでありえるのか?」という議論ですが。
    最後に、メールでもやりとりしましたが、加野瀬さんは「サブカル劣等生」ってカテゴライズにやはり反応するんですね。たぶんこれは僕と加野瀬さんが生きてきた歴史の違いに根ざしている気がします。こういう異論はとても参考になるので、これからも遠慮なくいろいろおっしゃっていただければ嬉しいです。とても参考になりますので。ではまた。

  5. 加野瀬 より:

    僕も、不思議ちゃん定義論争なんて、恐ろしいことはしたくないです。オタク定義と同じ、神学論争になるでしょうから。
    ゴスロリは、オタクになりたくない人が選択している感じがします。端から見るとオタクっぽく見えるんだけど、内部では差別化していると予想。

    「サブカル劣等生」という部分への反応は、確かに歴史の違いだと思いますよ。たとえばハマノさんは「サブカル偏差値という価値観・基準は単純に共感不能」といってスルーされてますし。

  6. 松谷 より:

    ちょっと長いんですが、たびたびすいません。

    >ゴスロリは、オタクになりたくない人が選択している感じがします。端から見るとオタクっぽく見えるんだけど、内部では差別化していると予想。

    これも予想の範疇内ですが、僕はちょっと違うんじゃないかと思います。
    というのも、ゴスロリの子たち(10代後半?20代前半)って、たぶん「オタク/新人類」とか「オタク/サブカル」とか、そういう対立カテゴリーをあまり自覚的には捉えてないと思いますよ。なぜなら、そういうことを意識してきたことなんて、彼女たちには世代的にはあまりないはずだから。
    たとえば、いまの22歳(81年生まれ)っていうのは、宮崎勤に殺された子たちと同い歳で、つまりオタク差別全盛期(90年代前半)にはガキンチョだったわけです。オタクが差別されている人々の類型だということなんて、あまり知らなくても不思議ではないんです。
    そんな彼女たちは、ゴスロリにしろオタクにしろ、スタイルや対抗(ネタ)としてではなく、非常にナチュラル(ベタ)なものとして受け止めているはずです。僕はこの世代を数多く取材してきましたが、そのナチュラルさに、とても驚きました。
    歴史的なイメージとしては、こうです。もともとは宮台さんが分析したように、77年くらいには同類であったオタクと新人類(後のサブカル)が分派して、宮崎事件が起きた90年前後(僕や加野瀬さんなど、団塊ジュニアの青春期)をピークにその距離はとても離れ、その後またどんどん近寄っていって(なかでも『EVA』の影響は大きかった)、現時点ではほぼ混淆していて、同時にその実態を判別できないほどに一般化した──こんなイメージです。
    いまの若い世代など、オタクとサブカルっ子の区別がつかなくなっている傾向も多々見受けられます。そこでわずかに僕が判別できることは、「オタク系/サブカル系」というカテゴライズなどではなく、「(ごった煮になったオタクカルチャーやサブカル等に対して)薄いか/濃いか」ということだけなんです。
    たとえば、コスプレやりながらエレクトロニカ聴いてさそうあきらも読む、みたいな子を取材したことあるんですけど、こっちとしては驚くばかりですよ。他にも、ニルヴァナとか聴きながらアニメ絵描いてるとか、巨乳グラビアアイドルなのに「チャカ・カーンと藤山直美さんと蜷川実花さんが好き!」とか、ほんと混乱します(笑)。なんだよ、それって。でまぁ、ゴスロリの子もそんなもんじゃないかなぁ、と。
    で、そんなゴスロリはサブカルっ子だった僕には「オタク的」に見えるし、オタク自意識が強い人には「サブカル的」に見えるのかな、と。しかし、実際のところは、「オタク」とも「サブカル」ともなんとも呼べないようなタイプの人なんだと思います。
    ひとつ留意しておきたいのは、ここで僕らが何気なく前提としてしまう「オタク/サブカル」という二分法やその人格類型が、当事者にとってはぜんぜん意識されてないというのがやはりポイントなんだと思います。逆に、彼女たちにとっては、僕らのほうが「イロイロ背負ってて面倒くさそう」に見えているのかもしれません。ただし、彼女たちは「『なにも背負ってない』ということそのものを背負っている」(みうらじゅんは、これを「不幸なことに不幸がなかった」と表現します)わけで、僕らの世代のように「オタク」とか「サブカル」という類型でその不安が支えられることもないわけですから、逆に言えばさらなる困難を抱えているとも言えます。僕らの世代が、たとえば若い頃に「サブカル野郎」とか「くそオタクども」などと他者を非難することによって、鈴木さん言うところの「鎧」を磨こうとしていたのに対し、そういうことすらもできないわけですから。そういう点では、やはりとても大変そうですよ、あの世代は。

  7. アナルスナイパー より:

    リンクを張られたらどこにだって参上しますよ。ずうずうしくてすいません。オタク/サブカルだけど、そんなことでケンカしてたの男子だけって印象がありますよ。73年生まれだけど。「オタクめ?」とか「サブカルめ?」とか男子サイドからののしられて、そうゆう区分けが存在することを知りました。私ずっと一人で本ばっか読んでましたからねえ。ののしられて気づいたけど、そうゆう風に相手をバカにしたがる人ってたいがいロリコンですよね?オタクの命名者中森明夫にしてからがそうだし。それはなんでなのか考えてみた。
    <私の説>
    80年代に入って発見された「女子の自意識の存在」に耐えられない、(強い自尊心を他人から傷つけられることにおびえている)男子がロリコン化、せっせと女子の内面を否定することにつとめました。「少女は巫女(自我のない存在)だ」「彼女たちが語る内面など虚構だ。凡庸だ」「女はバッファロー66を見ても内容を理解していない」とかなんとか。そんな彼らにとって他者の存在、とりわけ女子の存在はつねに不安を呼び起こすので、カテゴライズして見下して安心せずにはおれない。そして「オタク」やら「不思議ちゃん」やら、さまざまな被差別集団が誕生したのです。

  8. 不思議ちゃん/矢沢あいの漫画/そして注目されない男不思議ちゃん(加)

    私は表現されているものの視点(客観なのか主観なのか)が非常に気になります。そのバランスが保たれている文章が読んでいて心地良いのですが、最近の自分の文を読み返してみるとやたらと、私、私と書き出したり、個人的にはなどといちいち断って書く傾向がみえて、内心、…

  9. やさしくわかるコクヨの原稿用紙。(加)

    別にゴスロリかどうかは全然どうでも良くて、パンクスでもモッズでもやるヤツはやるしやらないヤツはやらないが、やるヤツとやらないヤツにそう明確な違いがあったわけでもなかろうと思う。何が分水嶺なのか。とかいいつつ、何故こうなったかは知らないし知る気もないが、…

  10. 死に至るアレ(加)

    あー、この手のネタには、ついついうっかり語りがちなオリ*1ですけど、考えてみりゃ、大塚英志の語る「少女」の基準は白倉由美だから、激しく汎用性に欠けるんだよな。一昨年ぐらいまで気が付かなかったんだけどさ。いや、半年ぐらい前のコミティアで、大塚英志と白倉由美…

  11. 2003-11-19(加)

    吉田さんはいやがっているようだが、吉田アミという人は私の中でも確実に「はてなクイーン」である。MT男爵の加野瀬氏にも言えることだが、片手間でやってるにしては尋常でない更新っぷりと、発言量の多さがその理由だ。皆が気になっている(と思われる)問題に実にサック…

  12. OK's Book Case より:

    「不思議ちゃん」の系譜(加)

    そういえば「不思議ちゃん」という表現はいつごろから誰もが使うようになったんだろう。何となくナンシー関が使いはじめた用語のように認識していたけれど、手元に文献がなくて実際にそうなのかいまひとつ確証がない。(一応、香山リカも『エミリ?・ザ・ストレンジ』書評…

  13. 加野瀬 より:

     松谷さんの歴史的イメージは納得できます。オタク・サブカルといった構図は、demiさんが指摘されているように、男性独特のもので、特に1980年(この年に強い根拠はなし)以前生まれ独特のものでしょうね。いまだに、オタクで「このサブカル野郎!」みたいな罵倒をする人は、このぐらいの世代な気がするし。
     ただ、ゴスロリの女の子たちは、教室の隅っこでボーイズラブ小説を読んでいるオタク女たちと私は違う!という差別意識は持ってるんじゃないでしょうか。それと、女性文化の話だと、宮崎事件はあまりリンクしないのでは。
     若い世代において、オタクとサブカルの区別がつかない傾向があるのは、松谷さんの説明だと女性だけのように読めますが、男性にもいえることかと。
     それと、マニアックな音楽を聞きながらアニメ絵を描く人の存在に驚かれてますが、音楽の趣味がマニアックで、かつアニメ絵を描いていた人は、80年代からよく見受けられましたよ。
     「彼ら・彼女らは生きることに困難を抱えている」といったレベルの問題の普遍化に関しては、慎重にいきたいのでコメントはしません。

     アナルスナイパーdemiさんの男子がロリコン化する経緯は、上で引用したように更科さんも指摘してますね。見下したい人も多いでしょうが、女性をイノセンスな存在と捉えて憧れている面もあるんじゃないですかね。幼女趣味(ロリコンだと「年下趣味」になっているのであえて)だと、特にそういう面はありそうで。
     それに対して、女性側から「勝手にイノセンスな存在にするなよ!」という当然突っ込まれるでしょうが。

  14. 不思議ちゃん・男不思議ちゃん

    最近話題になっている「不思議ちゃん」「オタク」「サブカルチャ」について、私も尻馬に乗ってみました。「オタク」や「サブカルチャ」の違いを語るのって「ラーメンとパスタの違い」ぐらい、定義が曖昧になると思うんです。でも、ワザワザここでイメージ論を展開するより…

  15. 雑記その3(加)

    例のゴスロリ事件にともない、ウェブ日記などについて、いろいろと議論が。しかし、ここでは80年代にコミケが拡大していったときの、そこで売り買いされていた同人誌に対する「個性」についての考察が、ウェブ日記という多少形態のことなる(しかしかなり似通った)表現…

  16. ゴスロリ少女の裏返し?(加)

    でもでも、このタイプのオンナノコの落ち着く先が自傷系なら、オトコノコが陥りがちなのがサブカル系、って意地悪な反論も可能かもしれませんことよ!
    「いまどき現代思想のタームが使えるボクが、オタク文化なんかを縦横無尽に切っちゃうぞ!」
    文化系のイケていないオ…

  17. HowSoonIsNow? より:

    例のゴスロリ

    あまりにベタなのでとりあげるつもりもなかったんだけど、ちょっと面白い周辺記事があったんで。 まずはネタ元:ARTIFACT – 不思議ちゃん/矢沢あいの漫画/そして注目されない男不思議ちゃん recent events@TRiCK FiSH – 大阪河内長野市・家族殺傷事件について > 〈1…

  18. 不思議ちゃんの歴史〈1〉

    〈不思議ちゃん〉のことに触れたら反響も大きく、少々その呼称を安易に使いすぎたかな、といった気もしたので「不思議ちゃんの歴史をまとめる」なんて言ってしまった。で、書き始めたのはいいものの、これがなかなか止まらない。仕事ではないので、パッと本棚や資料ボック…

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1997年から運営している個人サイト。2002年にブログ化。オタクネタを中心で書いていたが、最近はウェブサービスの話題が多い。
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